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2017年11月17日

富士宮の白糸小学校4年生たちが ” 芝川ノリ ” の育つ現場をリアルに確かめました。

その昔、江戸幕府に献上し、芝川(しばかわ)流域で盛んに生産(採取)されていた芝川ノリ。現在では環境省レッドリストの絶滅危惧種に指定されるほど生育量が減少し「幻の川海苔」と呼ばれている。判明する生育環境は、例えば水の速さ毎秒1~2m(自然界の滝レベル)。水深20cm位まで、水しぶきがかかる場所。水温は11~14度(富士山の湧水に関係)など驚くほどハードルが高い。今回の課外授業では、白糸小4年生が自然に育つノリを直に確認し、ともに生きる水生昆虫と一緒に観察することで「きれいな水」の指標になることを学びました。

清らかさと激流を好む” 芝川ノリ ” は希少な川海苔。芝川流域だけの限定産物。

題名:「 芝川ノリを見てみよう 」 。11月10日(金、2017年)、13時45分~15時。集合・出発>生育地到着・観察・採取>理科室(学校)で簡易標本作成・観察・話合い>終了。

富士宮市立・白糸小学校4年生を対象に、日本大学短期大学部・食物栄養学科の石川元康准教授が講師・指導にあたり、補佐役で日大生の永田さんと安谷屋さんが参加してくれました。


開講の挨拶をする日本大学短期大学部・食物栄養学科の石川准教授。


13時45分、元気よく校庭に集合した白糸小4年生のみんな。


石川准教授と談笑する富士宮市役所 「食のまち推進室」の深澤主査(左)。


芝川ノリの生育する場所を目指して小学校を出発。


歩いて5分ほどで芝川ノリが生育する採取地に到着しました。


石川准教授は着替え採取開始、バケツに集めていく。水の速さ毎秒1~2mに育つそう(ほぼ滝レベル)。


激流を板でせき止めて採るのは過酷で危険な作業。一緒にとれる水生昆虫も観察。20分ほどで採取終了。


小さな岩にわずかに付着した芝川ノリ。様々な理由が考えられるが生育量全体が激減している。


とった芝川ノリを白糸小の理科室に持ち帰りました。4班に分かれて学習開始。


バットに小分けして観察。枯葉や藻も混っている、あざやかな緑色の物が芝川ノリ。


まず最初にラミネータを使って芝川ノリの簡易標本を作りました。


簡易標本は保存次第で1年ほど緑色のまま残せるそう。研究者になった気分。


バットのチェックに夢中な生徒たち。水生昆虫の種類による水質(階級)も学びました。


簡易標本をつかい顕微鏡で細胞組織を確認。規則的な四角い細胞配列が見れました。


学習の締めくくりは質疑応答。見つけた水生昆虫の数から芝川ノリの値段まで幅広い内容でした。


予定を30分程オーバーし終了。芝川ノリの調査研究や関連の活動は今後も続く。(起立、礼、ありがとうございました


富士山の恵みと暮らす白糸地区。心ひかれる風景が広がる。白糸小学校 (富士宮市原1115)の教育目標は「笑顔いっぱい輝く瞳」。 (芝川流域内に生息する芝川ノリ。体験学習は安全等を考慮し水路で行いました)

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加工・商品化されて出まわる 「芝川ノリ」はとても少量で高価。一般的な食材(特産物)とは呼べないけれど、地域の自然や環境の考察、食文化などを知るうえで大きな意味がある。

関連URL

日本大学短期大学部(三島校舎)食物栄養学科

富士宮市役所(4階)農政課・食のまち推進室

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