「ハザードマップ」とは震度や津波の危険度を、色分けや具体的な数字で地図上に示したもの。ひなん場所や救護所等、災害発生時に役立つ場所も記載されています。
静岡市では平成26年8月、冊子 『静岡市防災マップ』 を配布しています。
ですが「見た覚えがない」「なくしてしまった…」「もっと拡大したマップが見たい」なんて人もいるのではないでしょうか。そんな人のために静岡市では、PC・スマホで閲覧できるWEB版 『静岡市防災情報マップ』 を公開しています。
使い方はカンタン。災害別に3つあるマップのうち
⇒ 知りたい内容でマップを選択 → 利用条件に同意 → 住所入力
で周辺地図と被害予測が表示されます。
・防災マップ
・津波避難マップ
・洪水ハザードマップ
◇震度、土砂災害、液状化(地盤が泥水のようになり家が傾く)、避難地・避難所、救護所等 なら → 防災マップ
◇津波の浸水深・到達時間、津波避難ビル・タワー なら → 津波避難マップ
◇台風や豪雨の浸水(河川選択に注意)、土砂災害 なら → 洪水ハザードマップ
はっきりした住所が分からなくても町名、駅・役所などの「目標施設」から検索したり、地図上をクリックすることでも探せます。地図右上のボタンでマップ種類の切り替えができ、建物や道路が見分けやすいのは[案内地図]です。
いちどクリックして位置を決めれば、タブの切り替えで 防災マップ ⇔ 津波避難マップ ⇔ 洪水ハザードマップ と3つのマップを行き来でき、種類の違う災害をまとめて把握できます。
実際に画面を開いてみる前に、ハザードマップの効果的な使い方を確認しておきましょう。以下の3つのステップを意識してみてください。
<ハザードマップ活用の3ステップ>
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STEP.1】
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自宅、勤務先、学校 の場所をチェック
自宅、自分や家族の勤務先・学校等の位置を確認。近くの実家や自宅の最寄りひなん場所も確認しておきましょう。
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【STEP.2】
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3つの災害別マップで、それぞれの被害予想を把握する
ひとつの場所につき、必ず3種類の災害別マップを確認しましょう。予想される災害はエリアの特徴によって異なります。場所の地形や土地条件を思い起こしながら、ふだんの自分の感覚(例:水の被害は聞いたことがないから、大丈夫だろう)と被害予想を比べてみてください。
<エリアの特徴から考えられる、災害可能性>
・海や河口の近くだ → 津波
・崖地だ、裏山が迫っている → 土砂災害
・くぼ地だ、昔は湿地帯だった → 浸水
・埋立地だと聞いている → 液状化
・地盤が軟弱だと聞いている → 揺れが増幅される
また長時間を過ごす自宅では、とくに確認しておきたい5つのチェックポイントを挙げました。できれば数字で被害予想を把握しておきましょう。そうすれば実際に警報や避難勧告が出たとき、自分はどう行動すればいいのか、判断の材料になります。
・防災マップ
[1] 震度はいくつですか
震度( )
[2] 土砂災害の危険箇所・警戒区域ですか
当てはまる/当てはまらない
・津波避難マップ
[3] 津波の到達時間は何分ですか
( )分
[4] 津波の浸水深は何mですか
( )m
・洪水ハザードマップ
[5] 台風や豪雨の浸水深は何mですか
( )m
浸水の目安と危険度。浸水20~30cmで流れがあると動くのが難しくなり、30~40cmで外開きドアが開かなくなり、50cm(大人のひざ辺り)ではほぼ歩けなくなる。一般住宅は50cmを超えたら床上浸水の恐れあり
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【STEP.3】
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被害予想を踏まえて、もしもの時に どこへ・どの道を使って逃げるのか、考えてみましょう。最寄りの避難所(小・中学校等)・避難地(公園や広場等)をクリックすると詳細情報が表示されます。
また画面右上の「計測」(三角定規アイコン)をクリックすると、避難時に使いたい経路の距離が測れます。自宅→最寄り避難所までの距離を知ることで、避難にかかるおおよその時間(一般に、徒歩1分=80m)が分かって便利です。
使い方:
「計測」アイコンをクリック
↓
出発地点をクリック
↓
使う経路(道)を曲がり角ごとクリック
↓
到着地点までクリック
↓
別ウィンドウに 距離 が表示される
静岡街中の青葉通りにいた場合 → 最寄り避難所の「城内中学校」 までの距離 = 456m。徒歩およそ5~6分の距離となる
Googleマップ等、ふだん使い慣れているWEBサービスがあればそちらで計測しても。避難経路とおよその所要時間がわかればOKです。
ハザードマップを見て初めて「自分の身近に災害リスクがある」と知った人は、びっくりしたかもしれません。
ネットで検索すれば地震の備えや対処方が、数多く得られます。もちろんこれも重要ですが、自分の暮らすエリアはどんなリスクがあって、わが家はその対策はできているのか、いないのか。ここが地震対策で真っ先に考えたい、重要なポイントなのです。
地域の具体的な情報をもっと知りたい、という方は下記のHPを参照してください。
http://static.shizuoka-ebooks.jp/actibook_data/se1411011/_SWF_Window.html
http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/e-quakes/shiraberu/hondana/guidebook/documents/guidebookno18.pdf
「助かる!ジブン防災 静岡」では静岡の具体的な場所での地震対処法に加え、市&県発信の防災情報の活かし方、スマホ対応の情報収集、現実的で実践可能なモノや住まいの備え等を掲載していきます。
今の静岡の暮らしに足りなかった防災情報を順次ピックアップしてお伝えしていきますので、今後もぜひ参考にしてください。
【監修】 内閣府火山防災エキスパート/静岡大学防災総合センター教授 岩田孝仁