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<大浜公園プール・広野海岸公園>津波ひなん場所を知って出かけよう

夏の楽しみといえば海辺のおでかけ。静岡市内でとくに家族連れに人気の高い海辺の公園、「大浜公園プール」と「広野海岸公園」をピックアップ。最新の“津波ひなん場所”を確認してきました。

「大浜公園プール」&「広野海岸公園」があるのは、こんな場所

大浜公園

駿河区西島の海沿いに、ゆったりと大きく広がる「大浜公園」。
夏季には園内にある静岡市営の「大浜公園プール」がオープンし、流水プールや児童プールなど、入場無料で6つのプールが楽しめます。

ピーク時は日に3000人近いプール客が訪れる「大浜公園プール」。駐車場はないのでアクセスはバスや周辺民営駐車場の利用を。

<大浜公園2016年プール情報>
【期間】
 7月16日(土)~8月31日(水)
【時間】
 9:30~18:00 (付き添いのいない小・中学生/~17:00)
【料金】
 無料 (ウォータースライダーは1回/小・中学生150円、高校生以上220円)
【電話】
 054-200-4894 静岡市コールセンター

海沿いの園内の海抜は6~7m。プールの目の前には海抜7.2mの自転車道が通り、その向こうには「大浜海岸」の砂浜と海が広がります。

潮風が気持ちいい自転車道。ランニングや犬の散歩をする人も多く、穏やかな時間が流れる。

広野海岸公園

もうひとつの人気公園は、駿河区広野海岸通の埋め立て地に広がる「広野海岸公園」。
「難破船がある公園」として家族連れに大人気。水遊びができる階段状の滝と池があり、晴れていれば富士山の眺めも気持ちよく、海辺のデートスポットとしても有名です。

難破船遊具の周囲は足触りのいい砂地で、小さな子どもの水遊びにぴったり。隣接した用宗漁港構内にある「どんぶりハウス」は、名物しらすを使った丼ものが大人気。

<広野海岸公園情報>
【駐車場】
 開場6:00~21:00(12月~2月/~20:00)、
 無料、2ヵ所・計220台
【管理棟】
 9:00~17:00
【電 話】
 054-354-2184 静岡市水産漁港課

公園の海側は釣りができるよう護岸工事済み。その上を海抜10~11mの遊歩道が通り、用宗漁港まで続いています。

公園を横からみると、海面からかなり嵩上げされているのが分かる。難破船付近の海抜は約11m。

あらためて知る、津波の怖さ。「浸水1メートルで死亡率100%」!

もしも海辺で遊んでいるとき、揺れを感じたら。

それは「すぐに津波がくる」ことを意味します。

プールや水辺で遊んでいれば、水着や軽装に裸足のうえ、スマホや手荷物は車内やロッカーに預けている場合も。子どもや同行者と離れて遊んでいれば、人混みをかき分けて探すのも時間がかかります。

こうしたことから揺れが収まったら即ひなん、とはいかないかもしれません。
ですが津波ひなんには、知っておきたい3原則があります。


津波ひなんの3原則

[原則1] 
大きな揺れが収まったら、徒歩ですぐひなん  

ただし沿岸部にいる時は、ただちに海岸から離れる

[原則2] 
ひなんは「津波てんでんこ」  

「てんでんこ」=家族を探さず、各人がその場でできる最善を尽くして、すぐに逃げること

[原則3] 
ひなんは 少しでも早く 、高いところへ  

高台・津波ひなん施設・3階以上のビルなどへ


「津波てんでんこ」とは、東日本大震災時に「釜石の奇跡」と呼ばれ、数多くの人命を救った古くからの格言です。

「助け合いよりも、まず自分が逃げる」ことが重要なほど、津波ひなんは時間の猶予がない、少しの判断の遅れが命に関わる、ということを意味しています。

大浜公園入り口の海抜表示板。エリアの海抜(平常時の海面から陸地の高さ)を知っておくと、高い場所にひなんする手がかりになる。

また内閣府が津波の浸水深と死亡率の関係を分析、1mの津波浸水でも計算上の死亡率は100%になる、という報告(※1)を出しています。

津波の浸水深と死亡率

これが子どもだった場合、浸水深30cmでも足元をすくわれ、命の危険があります。

津波はふつうの波とちがって「水の塊の崩れない巨大な壁」となって猛スピードで押し寄せ、船・車・家・ガレキなどの漂流物が「凶器」となって混入し、いちど巻き込まれたら身動きが取れなくなります。

また東日本大震災では、津波が陸上でも時速25キロ(レース用自転車の平均速度)のスピードを保っていたこともわかっており、津波が見えてから逃げたのではとても間に合いません。

一般に深さ「50cm~1m」は大人の腰の高さでたいしたことがないように感じますが、台風や大雨で徐々に水位が上がる浸水とは違い、襲ってくる津波での浸水は1mで、これほどの死亡率になるのです。

ちなみに大浜プールの流水プールも、深さ1mです。実際に入ったことのある人は、これよりも巨大で速い、漂流物が混じった津波が襲ってきたとしたら、到底太刀打ちできないと実感できるはずです。

こうしたことを踏まえて、とくに津波の危険度が高い海辺で身を守るためには「どこに、どうやってひなんするのか、事前に確認」のうえ、頭に入れておく必要があります。


最寄りの津波ひなん施設を知ろう

同じ静岡市内の沿岸部にある2つの公園ですが、防災の視点でみると下記のような違いがあります。

大浜公園周辺の「津波到達予想時間マップ」。色分けはピンク0~10分、オレンジ10~15分、黄色15~20分、紫20~30分、水色30分以上と予想されている。大浜公園は場所により「0~10分」と「10~15分」のエリアになる。

広野海岸公園周辺の「津波到達予想時間マップ」。色分けは同上。広野海岸公園は水色の「30分以上」。いずれも出典:「静岡市津波避難マップ」 http://www2.wagamachi-guide.com/shizuoka-hazard/map.asp

どちらも予想される震度はほぼ同じレベルですが、津波到達時間や浸水深は異なります。
次に津波ひなん施設をみてみましょう。


2つの公園 周辺の津波ひなん施設

津波ひなん施設には、津波から一時的にひなんするための専用構造物「津波ひなんタワー」と、公共施設や一般のビルを緊急時のみ一時的にひなんに活用できる「津波ひなんビル」があります。

ひなんは徒歩、が原則です。

東日本大震災以降、クルマでのひなんも様々な検証がなされています。ですが今回ピックアップした2公園では駐車場出庫時から渋滞で身動きが取れなくなるうえ、ひなんに使える道路も限られ、津波に追いつかれる可能性が高くなります。

徒歩でのひなん、を念頭に津波ひなん施設をみていきましょう。

<大浜公園プールエリア>

大浜公園周辺には2基の「津波ひなんタワー」と複数の「津波ひなんビル」があります。浸水深50cm~2mのエリアなので、すみやかに鉄筋コンクリート造建物の2階以上へのひなんが必要です。

大浜公園最寄りの「津波ひなんタワー」2基。園中心部からのおよその距離は、大浜公園内タワーまで180m、大浜荘内タワーまで260mになる。

①大浜公園内 津波ひなんタワー
 H25年度完成/高さ7m
②大浜荘内 津波ひなんタワー
 H27年度完成/高さ一層目7m、二層目10m


大浜公園内の「津波ひなんビル」案内板。プール場内、ロッカー棟前、ロータリー植え込みに設置されている。より近くの「津波ひなんタワー」の表示はないので、存在を忘れないよう気をつけて。

大浜公園からおよそ1km圏内の「津波ひなんビル」は

□ナーシングホームあしたば1号館
 およそ500m、想定浸水深0~50cm
□ナーシングホームあしたば2号館
 およそ600m、想定浸水深50~100cm
□特別養護老人ホーム なごみ
 およそ650m、想定浸水深1~2m
□中島小学校
 およそ850m、想定浸水深0~50cm
□中島浄化センター
 およそ950m、想定浸水深50~100cm

また「津波緊急ひなん場所」として

□150号線バイパス高架橋
 およそ1km、想定浸水深1~2m
(供用前の建設中高架道路上を、クルマの進入スロープを登って利用)

プール営業時間中は常に監視員がいて、1時間おきにプールからあがって休憩するよう放送が入ります。もしもの場合はこうした放送と人によるひなん誘導があるので、率先してひなんしてください。

<広野海岸公園エリア>

現在周辺に徒歩圏内の津波ひなん施設は少ないですが、予想津波浸水深は0~50cm、到達時間は30分以上と、比較的逃げる猶予はあります。

広野海岸公園内の「津波ひなんビル」案内板。遠方から遊びに来ていて土地勘のない場合、公園にクルマを駐車する前に、津波ひなんビルのある辺りをクルマでぐるっと見て回るのもひとつの方法。

また平成29年度の完成を目指し、隣接する広野5丁目に津波ひなんタワー建設計画が進行中です。

西の用宗漁港周辺、東の丸子川河口近くは10分未満で津波到達が予想されています。逃げる猶予のある時間を活かして、津波ひなん施設に行くという判断ばかりでなく、より早く、より高くへのひなんが重要です

広野海岸公園から一番近い津波ひなん施設、6階建の「静岡広野病院」。難破船のあるあたりからおよそ800m前後、徒歩10分程度の距離。

また静岡市の同報無線が、陸側の松林を超えた中学校跡地にあります。弱い地震でも長時間揺れを感じた場合や、津波注意報(音声の広報)や警報(サイレン+音声の広報)が発表された場合も、気付いたらすぐ、ひなんをはじめてください。

放送内容が聞き取れなかった場合でも、あとから下記の方法で確認できます。

<静岡市・同報無線 放送内容の確認方法>

電話案内:「静岡市・防災情報電話案内サービス」

0180-99-5656

静岡市HP:『防災情報(同報無線の内容)』

http://www.city.shizuoka.jp/268_000036.html

静岡市ブログ:『静岡市の災害情報』

http://blogs.yahoo.co.jp/shizuoka_city_koho/

静岡市メール:『静岡市防災メール』 ※事前登録要 →登録方法

https://machipo.jp/bousai/column/13364

ですが万一逃げ遅れてしまった場合、園内では「見晴らし山」がいちばん海抜が高くなります。

「見晴らし山」頂上付近の様子。面積はそれほど広くはないが、海抜16.2mと高い位置にある。

災害には「想定外」があることを、忘れない

2つの公園をピックアップし「海辺の津波ひなん」を見てきましたが、被害想定はあくまで「想定」であり、浸水深や到達時間が必ず想定の範囲内で起こるとは限りません。

整備が進む各所の津波ひなん施設も、受入人数に限界はあり、また津波到達より先にひなんを完了していなければ効果はなく、万能とはいえません。

もしものとき、一番役に立つのは日ごろから自分自身が危機意識を持ち、「いま最善の判断は?」と考え、すぐに行動に移すことです。

命を守るために大切なのは“気にしない”や“諦める”のではなく、津波に対する正しい情報を持ち、いざという時きちんとひなんできること。

海辺で揺れを感じたら。その大小や津波警報・注意報の発表に関わらず、「すぐ、ひなん!」を徹底しましょう。

<大浜公園プール・広野海岸公園>津波ひなん場所を知って出かけよう!

● <大浜公園プール・広野海岸公園>とも海辺にあり、津波の危険がある

● 海辺の[津波ひなん3原則]は 「徒歩で・ただちに」「津波てんでんこ」で「高いところ」へ

● 「津波浸水1mで計算上の死亡率100%」から津波の恐ろしさを理解する

● 事前に<大浜公園プール・広野海岸公園>周辺の津波情報&ひなん施設を知っておく

● 津波への危機意識を忘れず、最善の判断ができる「準備と心構え」を持っておく

※1_内閣府発表「南海トラフの巨大地震 建物被害・人的被害の被害想定項目及び手法の概要」2012年8月29日
【監修】 内閣府火山防災エキスパート/静岡大学防災総合センター教授 岩田孝仁

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