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ジブンでできる!“わが家の耐震診断”

大規模な地震が起こるたび「ウチは耐震、大丈夫?」と心配になりますよね。実は簡単なセルフ耐震チェックの方法があるんです。静岡市のお宅にうかがって実際に体験してきました!

セルフ耐震チェックは10の質問に答えればOK!

“耐震診断”と聞くと行政や専門家に依頼して、お金や時間もかかって大ごとに…のようなイメージがありませんか。

ですが外部に依頼をする前に、まずは自分でわが家の状態を確認できるチェックシートがあります。

■ 『誰でもできる わが家の耐震診断』

監修/国土交通省住宅局  編集/(財)日本建築防災協会

対象になる住宅は1~2階建の木造一戸建。10の設問に回答、1点or 0点でカウント。合計点で専門家への耐震診断依頼が必要かどうか、アドバイスしてくれるというもの。

『誰でもできる  わが家の耐震診断』 10の設問

■10点満点
→ ひとまず安心ですが、念のため専門家に診てもらいましょう
■8~9点 
→ 専門家に診てもらいましょう
■7点以下
→ 心配ですので、早めに専門家に診てもらいましょう

と結果が出ます。

いずれも専門家の診断をすすめる内容ですが、設問に答える過程でどこがわが家のウィークポイントかが分かり、住まいの耐震化を考える上でとても参考になります。

それでは実際にやってみましょう!

セルフ耐震チェック、体験してきました!

今回お伺いしたのは、清水区・Sさんのご自宅。
築3年、新しくとてもキレイなお住まいです。

チェックに必要なモノはチェックシートと下記の2つ。

◇住宅図面
◇「屋根材」「基礎(建物と地盤をつなぐコンクリート部分)」の種類がわかるモノ

用意ができたら、さっそくチェックをはじめましょう!

※以降の設問内容は、上記画像の設問を簡易的に表現しています。正確な内容は上記画像よりご確認ください

【設問】

Q.1_建てたのは1981年6月以降?

Q.2_大きな災害に見舞われた経験はない?

Q.3_増築をしていない(または建築確認をして増築した)?

建築基準法により、1981年6月より前が「旧・耐震基準」、以降は「新・耐震基準」の家を建てることになっています。

この場合の「1981年6月より前/以降」とは、建物が完成した日ではなく、その建物が「建築確認を受けた」日付を指します。

「建築確認(申請)」とは、違法な建物ができないよう、工事の内容を着工前に役所等に申請し、確認を受ける手続きのこと。

ここで気をつけたいのは、建売住宅や分譲マンションに住む人です。建物の完成日や入居日は分かっていたとしても、いつ「建築確認を受けた」のか、把握している人は少ないのではないでしょうか。

仮に建物完成日が1981年7月の住宅があった場合。通常住宅の工事期間は3~6ヵ月はかかるので、建築確認の日付は遡って1981年6月より前となり、旧・耐震基準の家である可能性が高いことになります。

マンションも規模によりますが、通常工事期間は1~2年程度必要です。つまり1981年後半~1983年に建物完成のマンションでも、「建築確認を受けた」日付を確認しなければ、新・耐震基準に適合しているとは判断できないので注意が必要です。


新・耐震基準とは「震度6強~7程度の大地震でも、倒壊・崩壊しない程度」の性能を有することを指しています。

S家は2013年に建てた新・耐震基準の家。浸水・火災・地震などの災害にあったことはなく、増築もしていません。

A.1_1981年6月以降OK → 1点

A.2_災害経験ナシ  → 1点

A.3_増築ナシ  → 1点

チェックは順調にスタート!意外とカンタンな設問内容に、どんどん先に進みます。

【設問】

Q.4_家の傷んだところはない(または補修・改修は適宜している)?

※家の傷みとは
屋根や軒先の波打ち、柱や床の傾き、建具の建付け不具合、水回りの漏水、シロアリ被害等


「家の中で、とくに気になる点はないですね」というSさんですが、念のため家の外周を確認。

家の裏手に回り、雨漏り跡やヒビ割れがないか確認。外壁の腐食は建物内部に伝わり、柱や梁の構造を弱らせ、耐震強度を低下させる。

S家は隣家と接する面に間隔が十分にあり、風通しがよく湿気がたまりにくい設計。外壁の傷みや基礎のヒビ割れ等もなく、問題個所はありませんでした。

A.4_傷みナシ → 1点

【設問】

Q.5_建物の平面は、どちらかといえば長方形・正方形に近い?

Q.6_大きな吹き抜け(1辺4m以上)はない?

L字・T字のような複雑なカタチの家(※上記設問画像の説明イラスト参照)は各部分が別々の揺れ方をして、弱い箇所に力が集中してしまい、揺れに弱い傾向にあるそう。

S家の図面を見せてもらうと、ほぼ正方形に近い整ったカタチです。

A.5_正方形に近い  → 1点

また吹き抜けがあると揺れで建物がゆがみやすい傾向があり、1辺4m以上の大きな吹抜けはその恐れが。ただし構造計算等できちんと対策がとられていれば問題はありません。S家は吹き抜けがないので

A.6_吹抜けはない  → 1点

【設問】

Q.7_2階外壁の真下に、1階の壁がある?

2階の揺れの大きさは、1階に比べ1.4倍の大きさになるといわれています。この2階の大きな揺れを受け止める、下からの支え(柱や壁)があるかは耐震上重要なポイント。

S家は1階・2階の外壁のラインがピタッとあっていて、問題ナシ。

1階と2階の外壁がそろっているかは、外から家を見るだけでカンタンにわかる。1階と2階の図面を重ねて確認する方法もあり。

A.7_2階外壁の下に1階壁がある → 1点

【設問】

Q.8_1階の東西南北、どの面にも壁がある?

新・耐震基準の家では、家を支えるために必要な壁の量が決められています。ただし壁の配置がアンバランスだと、壁の少ない部分で揺れが大きくなり、そこから家がねじれて壊れることに。

S家は南面に大きなリビング窓がありますが、窓の左右に必要な壁(幅91cm以上)があり、問題ありません。

リビングの大窓は開放的で気持ちがいいもの。ただしむやみに窓を大きくすると壁の配置と必要量のバランスが崩れ、耐震性が落ちる心配も。

A.8_どの面にも壁がある  → 1点

【設問】

Q.9_屋根材は軽いモノ (または比較的重い瓦材だが1階に壁が多い)?

Q.10_基礎は鉄筋コンクリートの 布基礎orベタ基礎orくい基礎?

代表的な軽い屋根材には、薄い板状セメントの「スレート」や、鉄板・銅板の「金属」等が挙げられます。

現在主流となっているスレートは一般的に瓦の約1/2の軽さといわれ、重量のある瓦に比べ建物への負担が軽減されます。

S家のブラウンの屋根はスレート材。屋根を軽くし、建物全体の重量も軽くすることで重心が低くなり、結果として建物の揺れを小さくできる。

S家はスレートなので

A.9_屋根材は軽いモノ  → 1点

また新・耐震基準の家では基礎は「鉄筋コンクリート造」と定められています。

それ以前の家では地面に石を並べた上に直接柱を建てたり、コンクリートでも鉄筋が入っていなかったり耐震性の劣る基礎が用いられていました。

S家は鉄筋コンクリートのベタ基礎なので

A.10_鉄筋コンクリートのベタ基礎  →  1点

となります。



―― 以上で設問は終了です。

10問に回答した合計点は、……10点満点!

資料がなくても答えられる設問も多く、チェックはスムーズに終了。迷ったときは各設問の説明やイラストを参考にすれば回答できる。

10点 ⇒ 「ひとまず安心ですが、念のため専門家に診てもらいましょう」

という評価になりました。

Sさんからは
「建てたばかりの家ですが、もしかして…という気持ちも。10点満点で良かったです!やってみて安心できました」
とのコメントが。

ひとまず安心、という結果はウレシイですね。
Sさん、おつかれさまでした!

1981年6月より前に建築された家なら、無料で耐震診断が受けられる

今回チェックにかかった時間は、およそ30分。予想していた以上に、あっという間に終わりました。

ですがもしも住まいが1981年6月より前に建築された家だった場合、「旧・耐震基準」の家となり、気がかりな点が多く出てくるかもしれません。

静岡市ではこうした住宅を対象に、専門家による無料の耐震診断を行っています。

静岡市 「わが家の専門家診断事業」

対象:
市内にある1981(昭和56)年5月31日以前建築の、木造住宅(在来工法)

申込:
下記担当課に、電話または窓口に直接申込
→静岡市 都市局 建築部 建築指導課 安全推進係 

tel:
054-221-1124  

場所:
静岡庁舎新館5階


そうはいっても、市にいきなり耐震診断をお願いするのは抵抗があるかもしれません。

そうした場合はまず 『誰でもできる  わが家の耐震診断』 をやってみて、やはり気になる箇所がある、となったらお願いしてみるのはどうでしょう。

そのやり取りの中で、耐震補強まで進むかどうかも、自分なりの基準が持てそうです。

『誰でもできる  わが家の耐震診断』、自宅だけでなく「実家の耐震性も気になるなぁ」という人はぜひ機会をみつけて体験してみてください。やってみると、意外とカンタンかもしれませんよ。

ジブンでできる!“わが家の耐震診断”

自分でできる、耐震チェックシートがある

自分で耐震チェックをすることで、わが家のウィークポイントを把握できる

1981年6月より前に建築確認を受けた「旧・耐震基準」の家は要注意

「旧・耐震基準」の家は、静岡市に申し込めば無料の耐震診断が受けられる

【監修】 内閣府火山防災エキスパート/静岡大学防災総合センター教授 岩田孝仁

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