Original

いま、できる備え 「地震保険」を考えよう

大地震後の生活立て直しを力強くサポートしてくれる「地震保険」。 今回は損害保険ジャパン日本興亜・静岡本部さんに伺ってお話を聞いてきました。地震保険とどうつきあっていくか、今こそ考えてみませんか。

[1]静岡県の人は、地震保険に入っている?

ジブン防災編集部(以下・編) : 先の熊本地震を受けて、地震保険が気になる人が増えているようですね。いま静岡県の人はどれくらい地震保険に加入しているのですか。

損害保険ジャパン日本興亜(以下・ジャ) : はい、静岡県の地震保険付帯率(※1)は、2015年度で62.7%になります。

【編】 およそ6割強ですか。これは他県と比べて高い数字なんでしょうか。

【ジャ】 全国平均が60.2%、東京や神奈川で56~58%台ですから、実は静岡がそれほど高いわけではないんです。

【編】 えっ、それは意外ですね!

おだやかな語り口の静岡保険金サービス部・静岡火災新種保険金サービス課課長の中村毅司さん。保険金サービス部は損害調査と保険金の支払いを担当する

【ジャ】 理由のひとつは東日本大震災を機に、今まで低かった地域の付帯率が上昇、静岡に追いついてきたことがあります。

もうひとつ、幸いなことにここ数十年静岡は大地震が発生しておらず、身近に被災経験者が少ないため、地震に対する意識がつい薄れがちになる点も関係しているかもしれません。

とはいえ静岡県の防災意識が高いことに変わりはなく、水や食料の備えは以前より進んでいるのではないでしょうか。

【編】 うーん、静岡は当然全国でも加入率が高いのだと思っていました。「地震が原因の火災は、火災保険からは補償されない。地震保険に入っていないと保険金は支払われない」と聞いたことがありますが、本当でしょうか。

【ジャ】 そうですね。地震で倒れた暖房器具から火が上がるような地震が原因の火災は、地震保険での補償となります。あまり知られていませんが地震保険は津波や火山の噴火による損害もカバーしているんですよ。

【編】 噴火も対象なんですね。最近日本各地で噴火も多いですし、富士山のある静岡県に住むのなら、人ごととは思えないですね。

[2]熊本地震で感じた、地震保険が役立つとき

熊本で実際に損害調査に当たった、静岡業務部特命課長の西﨑匡太さん。過去にも大震災の損害調査を経験している

【ジャ】 今回の熊本地震では、静岡本部のスタッフも損害調査で現地入りしました。

担当エリアが被災の中心地からはやや距離があったため、比較的建物の被害は少なく、メインは家財(=家具・衣類・寝具等の日常生活品)の調査になりました。

現地で感じたのは、家財が被害を受けているにもかかわらず、家そのものが全壊してしまった方と比べてしまい「この程度なら連絡するほどでも…」と事故連絡をしない方が意外と多い、ということです。

【編】 たしかに自分よりもっと大変な人がいるのに、という気持ちになるかもしれません。

【ジャ】 ですが、こんな時こそお客様には、しっかり地震保険を役立てていただきたいのです。たとえ連絡がなくても、私たちは被災エリアのお客様のもとへ一軒一軒調査に伺います。

電話が不通だったり、ひなんしていて所在が不明の方のご自宅へもスタッフが手分けして訪問。それでもご本人に会えない場合はお知らせを投函しておく等して連絡をいただけるようにしています。

実際に調査に伺うと、もちろん例外はありますが、今回はほとんどのお客様の家財が支払い対象になりました。建物には被害がなくても、家財の地震保険に加入していれば一枚お皿が割れただけでも、そのほかにもご被害の可能性があることから、調査対象です。「これ位なら出ないと思っていた、良かった」とおっしゃっていただくことも多かったです。

【編】 たとえば割れたお皿があったとしら、調査が来るまでそのままの状態にしておかないといけないのですか?

静岡保険金サービス部・静岡火災新種保険金サービス課主任の野曽原沙紀さん。お客様と直接話す機会が多く、細かい質問にも丁寧に答えてくれる

【ジャ】 いえ、片づけをお待ちいただく必要はありません。調査はお客様からのヒアリングも含めてご被害を確認しています。ただできるなら片付ける前に写真を撮っておいていただくと、より正確で最大限の請求ができます。

調査は必ずお客様立会いのもと行います。お話をよく伺いながら、できる限り保険金を受け取っていただきたいという想いで進めています。

【編】 写真は撮っておけば役立ちそうですね。地震保険というと建物をイメージしがちですが、家財もありましたね。

静岡業務部・リーダー 河村太一さん 静岡業務部では、静岡本部施策の企画、立案、運営の統括を行っている

【ジャ】 ええ、最近は建物の耐震性が向上している一方、家財の壊れやすさは変わらないので、比較すると家財をお支払いできる率が上がっています。

家財は建物に比べ保険金額が低くて済む分、保険料も低額になるので、加入に迷われているなら家財から検討するのもひとつの方法です。

【編】 それは気づきませんでした! 知っていれば家財だけでも入りたい、と思う人は多いかもしれませんね。ほかに熊本で印象に残ったことはありますか。

熊本応援に入った、静岡業務部副長の齋藤耕一郎さん。「ふじのくに しずおCAR(カー)プラン」の開発をリード

【ジャ】 はい、あるお宅で損害調査をしている時、隣の家の奥様がその様子を見ていて「ウチも地震保険に入りたい、」と話しかけてみえた、というシーンがありました。そのお宅では火災保険は当社でご契約でしたが地震保険は未加入で、今回の地震は対象にならなかったのです。

【編】 お隣同士で差が出てしまうと、なおさら「入っておけばよかった…」と。

【ジャ】 そうしたときは私たちの契約時の提案が及ばなかったことを、本当に心苦しく思います。

お金に関していえば、被災地では自治体から「り災証明書」が発行され、被害の程度に応じて義援金が受け取れます。ですが自治体も被災しているため人手が足りず、なかなか発行がスムーズにいかない。それに従い入金も遅れがちな傾向がみられます。

ですが私たち民間保険会社ではすぐに全国から応援を集め、現地に派遣。損害調査と同時にその場で支払う保険金の額を決め、実際の支払いまでスピーディーに進められます。

【編】 具体的にはどれくらいの日数ですか。

【ジャ】 今回の熊本地震では、損害の程度にもよりますが10日前後でお支払しています。私たちは迅速な支払いを重要目標としています。早い段階でまとまったお金が手元にあれば、仮住まいを借りる資金にするなど、早期に生活再建を進めることができますから。

【編】 困っているとき、すぐに入金があったら嬉しいですね!ひなん所や車中泊を長期間続けるのはストレスが高そうです。

被災後は地震保険だけですべてが元通りになるわけではないが、加入しておくことで経済的な負担が軽減でき、精神的にも前向きになれることがわかる

【ジャ】 ええ、熊本地震では車中泊の問題がクローズアップされましたね。逆に東日本大震災では津波でクルマを失ってしまった方も多くいました。クルマがなければ車中泊はおろか、移動も食料の買い出しもままならず、より苦しい状況になってしまいます。

【編】 災害時はふだん以上にクルマが重要、ということですね。地震でクルマが何かの下敷きでつぶれてしまった場合、保険金は払われるのですか?

【ジャ】 クルマは家財にならないため、地震保険の対象にはなりません。ですので、地震でもお支払できる自動車保険にご加入いただくことをお勧めします。

[3]地震・噴火・津波も補償される、静岡県独自のクルマの保険

【ジャ】 地震での車両全損や津波で流失の場合、50万円が支払われる自動者保険「ふじのくに しずおCAR(カー)プラン」を静岡本部で開発しました。これは巨大地震が予想される静岡県独自の商品です。

全損とは「津波によって運転席の座面を超えて浸水した場合」や「建物の下敷きになって所定の損害が生じた場合」などに判定されたときです。特約保険料は月払いで400円~500円(※2)です。

【編】 この保険に加入していれば、先ほどのようなクルマがつぶれてしまった例でも保険金が支払われる、ということですか。

【ジャ】 はい、全損認定されれば迅速に保険金をお支払いできます。そのお金を元手にクルマを買い直していただければ、きっと早期の生活再建に役立つと考えています。

【編】 ふだんからクルマなしでは仕事も生活も立ち行かない、という人にとってはかなり助かりそうですね。

地震保険にも建物・家財・自動車と対象にバリエーションがあって、自分の優先順位の高いモノから選んで入れるのはとてもありがたいです。

[4]「地震保険」って、どうやって入るの?

【編】 地震保険のこと、だんだん分かってきました。ただいざ地震保険に入りたい!となってもどうやって入るのか、保険料はいくらなのか、難しそうなイメージがあるのですが…。 

【ジャ】 そうですよね。地震保険は火災保険とセットで入ることになるので、まずは今加入している火災保険の損害保険会社に問い合わせてみてください。地震保険は国と各損害保険会社が共同で運営している保険なので、どの会社で加入しても条件は同じ、保険料も同じです。

【編】 なるほど。保険料はどれくらいですか。

【ジャ】 地震保険の保険料計算はとてもシンプルで、住んでいる都道府県と建物の構造によって決まります。

【編】 家の広さとか、築何年とかは、関係ないのですか?

【ジャ】 ええ、関係ありません。静岡県の地震保険料は、この表をみていただければわかります。

【ジャ】 保険の対象には建物と家財がありますが、どちらも保険料は同じです。建物と家財の両方でも、どちらか一方だけの加入もできます。建物の建築年・免震・耐震性能に応じて割引制度もありますよ。

【編】 そうなんですね。お金のことが分かって、ホッとしました(笑)。

【ジャ】 ひとつ留意点があって、平成29年1月から地震保険の改定があります。新しい保険料は以下のようになります。

また従来「全損・半損・一部損」の3区分だった損害認定が変わり、半損が「大半損」と「小半損」に分かれ、4区分になります。

以前は半損と一部損の境目にいる方にとってはどちらに判定されるかで落差が大きかったので、この不公平感是正のため新しくよりきめ細い損害認定になりました。

【編】 これから地震保険に入る人は、加入のタイミングによって保険料や損害認定が変わる、ということですね。今すぐ入りたい、となったら入れるのですか?

【ジャ】 はい、火災保険期間の途中でも、地震保険は思い立った時から加入できます。2~5年の長期契約にすれば少し割引もつきますよ。

【編】 分かりました。お話をうかがっていくうちに、やっぱり地震保険は大切だな、と改めて強く感じました。本日はありがとうございました。

【ジャ】 ありがとうございました。


※1_「地震保険付帯率」とは、当年度中に契約された火災保険契約(住宅物件)に地震保険契約が付帯されている割合のこと 出典:損害保険料率算出機構 
※2_契約の保険種類・契約条件により実際の保険料は異なる

【もっと詳しく知りたいときは】

■日本損害保険協会  「地震保険のポイント

http://www.sonpo.or.jp/useful/insurance/jishin/

■損害保険ジャパン日本興亜 「地震保険」

http://www.sjnk.co.jp/kinsurance/habitation/earthquake/

■損害保険ジャパン日本興亜 静岡本部

http://www.sjnk.co.jp/tenpo/s/midland/shizuoka/

いま、できる備え 「地震保険」を考えよう

●地震による火災は、地震保険から補償される。火災保険では補償されない

●地震保険は 噴火・津波 も補償される

●地震保険は建物だけでなく、家財も加入できる。家財は建物より損害の程度が大きくなりやすい

●民間保険会社だからできる「迅速な保険金支払い」が、被災直後の苦しい状況を助けてくれる

●地震によるクルマ全損の補償には、静岡県独自の自動車保険「しずおCAR(カー)プラン」がある

●地震保険は中途加入でき、平成29年1月1日から改定が予定されている

SJNK16-09985 2016.10.07

Original

 よむ

 マップ

    • 静岡避難所マップ

      静岡市内の緊急避難所を地図上で探すことができます。現在地から避難所までのルートも表示されます。

 リンク