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<編集部がやってみました!> その① 冷蔵庫の転倒防止

年末の大掃除シーズン、冷蔵庫掃除もしていますか。やっておきたい「家具家電の転倒防止」、実は大掃除と兼ねればラクなんです。ジブン防災スタッフが体験してみました!

冷蔵庫の転倒防止、5つのステップ

地震の揺れから自分や家族を守るため、やっておきたい「家具・家電の転倒防止」対策。

転倒防止をしておきたい家具・家電はたくさんありますが、なかでも“冷蔵庫”はその筆頭です。


<冷蔵庫の転倒防止 ナゼ重要?>

・大型冷蔵庫は100kg以上。キッチンに長くいるお母さんが倒れた冷蔵庫の下敷きになったら…
 
・壊れても代わりになるモノがない (テレビはスマホで、食器棚はなくてもなんとかなる、でも冷蔵庫は…)

・中の食品が食べられなくなると、被災直後から食料に困る

・大型冷蔵庫は20万円以上する高額家電。被災生活中の買い換え資金捻出は、より苦しい


ですがいざ転倒防止にとりかかろうとしても、なんだか難しそう、そもそもやり方がよく分からない、とすぐには腰が上がらないモノ。

そこで自分でできる転倒防止のやり方を、5つのステップにまとめました。


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冷蔵庫の転倒防止 5ステップ
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step1_自宅建築会社に「壁下地位置」を確認する

step2_材料・道具を揃える

step3_冷蔵庫を動かす

step4_下地を探す

step5_固定金具を取り付け、冷蔵庫と固定金具をつなぐ


では実際にやってみましょう!

建築会社へ確認後、材料・道具の準備

今回チャレンジするのは、ジブン防災編集部のスタッフS。

S家の冷蔵庫は、東芝製の556リットルタイプ。
高さ183cm、重量112kgとかなりの大きさ。

キッチンカウンターとダイニング間仕切り壁との間、ギリギリにぴったりはさまって設置されています。

左はキッチン側から、右はダイニング側からみた冷蔵庫。手前は人ひとり通れる程度しかない狭い通路で、冷蔵庫を動かすスペースに苦戦しそう!

さあ、ステップ1から始めましょう。


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step1_自宅の建築会社に、壁下地位置を確認
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最近の住宅は部屋の壁全体が壁紙でおおわれていて、固定具のネジを打ち込みたい柱や梁がどこにあるのか、見た目では分かりません。

S家の壁も白い壁紙で仕上げられていて、柱や梁の場所は分かりません。


そのため壁の裏側に隠れている下地(※)をさがす必要があります。

※下地=壁裏にある木部のこと。柱や梁、石膏ボードをとめている間柱(縦桟)や胴縁(=どうぶち。横桟)など。スカスカの石膏ボードに直接ネジを打ち込むと、ボードが削れてネジがはずれ、用を足さない。


そこでS家を建てた建設会社さんに連絡。
冷蔵庫の転倒防止をしたいので、下地のある場所を教えてほしい、とたずねたところ

「冷蔵庫の後ろに柱や梁、間柱はない」

「下地として使えそうなのは胴縁(横桟)。天井から下におよそ220mm間隔で、高さ30mm・厚さ20mmの木の板が入っている」

「胴縁は左右と真ん中の3ヵ所をビス止めしている。磁石のついた“下地さがし”でビスの位置を確認して、そこは避けて固定具のビス打ちを」

「使うビスは長さ30mm程度・径4mmぐらいがオススメ」

との回答をいただきました。


素人にはやや難しい内容でしたが、下地位置の目安や必要なビスのサイズがわかってひと安心。
なんだかできそうな気がしてきました…!


<住宅タイプ別の留意点>
※住宅が鉄骨造・コンクリート造等だった場合、作業は建設会社に依頼するのが安心
※マンションの場合は管理規約などにより制約や手続きが必要な場合も
※本来固定金具の下地にしたいのは、柱や梁等の丈夫で太い角材。できるだけ深くビスの効く下地をさがしたい


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step2_材料・道具を揃える
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今回の転倒防止は 

【固定金具を壁に取り付け】 

     ↓

【固定金具と冷蔵庫天面裏の取っ手をロープでつなぐ】

方法をとります。

※市販の転倒防止グッズで「粘着式」や「突っ張り棒式」等がありますが、重量のある冷蔵庫には強度に不安が。利用の際は注意書きをよく確認しましょう。


<材 料>

・ネジ 8本  

・固定金具2つ ( 凸型の「角バンド」タイプ、横桟高さに合わせて高さ30mm)

・ロープ 1本  (1本@10m、金具に通しやすい太さ)

・結束バンド 2本 (1本@長さ830mm・幅9mm)


材料費は計892円(固定金具@198円×2、ロープ198円、結束バンド5本入298円。いずれもカインズホームで購入)。ネジは手持ちの工具箱から調達。

ネジは電動ドライバーが使える「ドリルネジ」を用意。石膏ボードの厚さ12mm+胴縁の厚さ20mmからはみださない長さ30mmに。

ロープは2か所分、余裕を持って結べる長さで10m。「もしもロープの結び目がほどけたら…」と心配だったため、幅広・長めで強度のある結束バンドも用意。ロープ+結束バンドの二重で固定します。


<道 具>

・電動ドライバー

・メジャー

・下地さがし 

・マスキングテープ&油性ペン

中央のペン形状のモノが「下地さがし」。下地位置をさがすためアマゾンで購入。多数あるレビューを読むと使い方がイメージできてくる。シンワ測定「下地探し どこ太Smart 35mm マグネット付」およそ1000円。

他に冷蔵庫の大きさや作業場所によっては

・踏み台になるもの
・大きくて丈夫な布製品(冷蔵庫移動時に使用)

があると便利です。

先端部の針で下地を感知する「下地さがし」器具。壁に垂直に押し当てると石膏ボードのみの部分はかんたんに針が貫通して、裏に木部があれば当たって針が入っていかない。ネジや鉄骨にはマグネット部分が反応する。

材料・道具の合計で、費用はおよそ1900円。これで冷蔵庫が壊れる&家族が下敷きになる不安がなくなるのなら、高くはない気がします。


準備が整ったら、いよいよ取り付けです!


下地を探して、固定金具を取り付け

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step3_冷蔵庫を動かす
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冷蔵庫は食品を入れたまま動かせます。

底面後部には「移動用車輪」がついていて、持ち上げなくても前にずらしながら移動が可能です。

今回は冷蔵庫の左右に人の手が入るすき間がないので、布を使う方法で移動させました。安全のため、大人2人で作業しましょう。

<冷蔵庫の動かし方>

底面の「前面グリル」(足もとカバー)をはずす



底面前の左右にある「調整脚」を回転させ、上にゆるめる→後部の車輪が床につく


冷蔵庫をやや浮かせ、調整脚と床の間のすき間に布を挟み込む


しっかりかませた布を手前に引っ張ると車輪が滑り、冷蔵庫が前に出てくる

ここが第一のヤマ場!冷蔵庫の移動が順調にできれば、作業はあと半分です。


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step4_下地を探す
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冷蔵庫背面の壁に、マスキングテープで印をつけながら下地を探していきます。


<下地の探し方>

冷蔵庫天面にある「取っ手」位置を確認する



・冷蔵庫天面 
・取っ手(左右各1) 
・下地が入っている予定の高さ (今回の場合天井から下に22~25cm)
の各位置を、壁にマスキングテープで印をする



冷蔵庫天面より上のスペースで、下地がある部分をさがす

下地さがしが反応する位置を確認、マスキングテープと油性ペンで印をつけていく。マグネットで下地のビスを、針を刺した手ごたえで下地(木部)が実際にあるか確認できる。

下地さがしの使い方は、やっているうちに要領がつかめてきます。

建設会社さんが「下地のある位置は家の各所によってマチマチ」といっていたように、聞いていたよりずっと下の位置にありました。

ここが第二のヤマ場!下地さえ見つかれば、あとは作業を進めるだけです。


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step5_固定金具を取り付け、冷蔵庫とつなぐ
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<固定金具の取り付け>

胴縁のネジ位置・冷蔵庫の取っ手位置を考慮しながら、固定金具の取付位置を決定。いったん油性ペンで固定金具ネジ穴の目印をつけてから、電動ドライバーでネジ締めする

<固定金具と冷蔵庫をつなぐ>

ロープを固定金具と冷蔵庫取っ手に通し、冷蔵庫を元に戻す



ロープを「本結び」等、結び目がほどけにくい結び方でしっかり縛る


念のため、結束バンドでもしっかリ締める

…やりました、ついに完成です!!
下地が見つかってからは、作業がどんどん進みました。


金具は思ったより目立たない。存在が気になる人は材料を壁色にあわせて白色に統一するか、白く塗ってしまっても。

ここまで作業時間はおよそ2時間。今回は撮影しながらだったので、作業に集中すればもっと短時間で完了できそうです。

スタッフSの感想は

「 これで冷蔵庫は大丈夫、地震が来ても食べ物はある、と思ったら心底ホッとしました。
ついでに冷蔵庫の掃除もできて良かったです(笑)。
安心して迎えられるお正月って、いいものですね 」

とのコメントが。
これで大丈夫、という安心感がうれしくて、次はテレビか本棚にチャレンジしたくなったそう。

無事に転倒防止ができて、良かったです!

※ただし冷蔵庫やピアノのような重量物の固定は、絶対に大丈夫、と過信しないでください。地震の際はすみやかにそばを離れ、身を守ることが重要です。固定されていれば万が一倒れたとしても時間の猶予があり、下敷きになる事態は避けられます。


食器棚・タンス・本棚やテレビなら、更にカンタンに転倒防止ができる

金具固定の転倒防止対策は、きちんとできていれば効果はずっと続きます。大掃除のタイミングにやってしまえば家族も協力的になりやすく、ひとりで大変な思いをすることもなさそうです。

今回は冷蔵庫の転倒防止対策をしましたが

■本体に直接ビスが打てる
 → 食器棚・タンス・本棚

■低い位置で固定する
 → テレビ 

等は冷蔵庫のやり方を参考に、もっと簡単に転倒防止ができます。


それでも自分ではできそうもないと感じる人は、思い切って自宅の建設会社に相談してみるといいでしょう。少し費用はかかりますが、プロにやってもらえばラクで効果も確実。いつまでも気がかりになっているより、ずっとスッキリできます。


自宅・実家のリフォームや新築の予定がある人は、建設会社(ハウスメーカーや工務店)に「冷蔵庫の転倒防止を考えているのですが、」とぜひ要望を出してみてください。

静岡県で地震対策に無関心なハウスメーカー・工務店はまずありません。住まいの耐震性とともに、転倒防止対策も必ずいい案を出してくれるはずです。とくに軽量鉄骨造やコンクリート造の家ではあとから対策をとるのはかなり大ごとになってしまうので要注意です。


「倒れるタンス・本棚は寝室に置かない」のが防災の基本ですが、キッチンに冷蔵庫は不可欠なもの。

被災生活をひなん所に頼らず、自宅で過ごせるようにするためにも「冷蔵庫の転倒防止」にぜひ取り組んでみてください。

<編集部がやってみました!> その① 冷蔵庫の転倒防止

● 大掃除がきっかけなら、後回しにしがちな「家具・家電の転倒防止」に取り組みやすい

● 大掃除がきっかけなら、後回しにしがちな「家具・家電の転倒防止」に取り組みやすい

● 「冷蔵庫の転倒防止 5ステップ」を参考にすれば、自分でもできる

● まずは自宅の建設会社に問い合わせ。早めに気がかりの解消を

● 住まいの新築・リフォーム時に建設会社と「転倒防止策」を話し合っておきたい

【監修】 内閣府火山防災エキスパート/静岡大学 防災総合センター 教授 岩田孝仁

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