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<地震に強い家って?> その①  “わが家の地盤”を確認しよう

どんなに耐震性の高い住まいでも「地盤」が強くなければ安心とはいえません。地盤状況は無料のwebサービスですぐに分かります。わが家の地盤について、あらためて確認してみませんか。

地震に強い家 5つのポイント

「地震に強い家」とはよく聞くフレーズですが、具体的には何を指すのでしょうか。


住宅は 「土地」 + 「建物」 から成り立っています。

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安心な土地  2つの要件
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■災害リスク 
・立地による災害の可能性 (海が近い→津波、裏山がすぐ→がけ崩れ等)がないか

■地盤 
・地面から深さおよそ100mまでの部分。建物の総重量を支える強度が必要
・家一軒分の土地面積の中でも、地盤強度は場所によって変化する。隣家の土地と強度が違うことも珍しくない(とくに造成地など)


建物の耐震性が高くても、「地盤」が軟弱なら揺れで建物が傾き、ひどければ地面に沈み込んでしまいます。

一方「地盤」が強固でも、耐震性が低い建物では倒壊の危険は免れません。

また津波のような「災害リスク」が予想される土地なら、地盤強度や耐震性は十分だったとしても、津波から自宅を守ることは難しいでしょう。


当たり前のことのようですが、土地&建物両方の条件がそろってはじめて、「地震に強い家」になるのです。

とくに安心・安全を考えるなら、土地は「災害リスク」と「地盤」の2つの要素から考えなければなりません。

もちろん既に建物が建っている地盤の強度を改良(=地盤改良)するのはなかなか難しく、特殊な工法で地盤改良するしかありません。

また建物は補強や建て直しができますが、土地・地盤は誰しもが好条件の場所を選べるわけではありません。

とはいえ地盤の状況を把握しておくことは、安心して暮らし続けていく上でとても重要です。

地盤のリスクが把握できてはじめて、ご近所よりも自宅が揺れやすいことが分かり「ひなんの準備」や「家具・家電の転倒防止」が大切なんだ、と意識できる場合もあるのです。

“わが家の地盤”、今すぐ確認しよう

自宅の地盤状況は民間の地盤調査会社によって提供されているwebサービスで、その目安を確認できます。利用はどれも無料です。

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無料でわかる、地盤情報 3サービス
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<スマホ版>
■その①

『じぶんの地盤アプリ』

https://jibannet.co.jp/jibunnojiban/

住所入力不要&GPSの位置情報から今いる場所の地盤状況を教えてくれる。評価が高いほど数字が100に近く、五角形グラフの面積が大きくなる。アプリを開くと自動表示されるのが便利。

評価によって結果表示のベース色が変わる。「注意」はピンク、「普通」は黄色、「安心」は緑。英語・中国語など9ヶ国語対応。提供:地盤ネット

表示は静岡県立美術館付近の地盤評価。1~2歩動くだけでも評価は変わる。美術館周辺はスコア75~80で「普通~安心」の評価だった

<PC版>
■その②

『地盤カルテ』 

https://jibannet.co.jp/karte/

『じぶんの地盤アプリ』と同じく地盤と災害リスクについて教えてくれる。リスク目安を「高-中-低」で表示しているので概要を把握しやすい。提供:地盤ネット

住所入力後、次画面で氏名・メールアドレス等を入力。指定アドレスにA4用紙1枚分の「簡易レポート」が届く

静岡市役所で試した「簡易レポート」。市役所が比較的安全な場所にあるとわかってひと安心。近隣の土地公示価格も掲載しているのが面白い

■その③

『地盤サポートマップ for U』

http://www.j-shield.co.jp/1million/cp2.htm

指定場所のマップを中心に、地盤・防災情報に加え「駅・学校・病院・公園」等の生活情報も掲載。親しみやすいレポートにまとめてくれる。

住所入力で周辺マップを表示。指定場所のピンを右クリックし、「レポートを作成する」をクリック。スマホ・タブレットは長押しで。提供:ジャパンホームシールド

こちらも静岡市役所の例。マップ付レポートが作成される。ふだんの生活に役立つような、最寄駅の一日乗降客数、バス停・公園・ひなん場所までの距離も分かる

みなさん、実際の住所を確認してみてどうでしたか。
評価は安心、それとも気になる結果が出ましたか?

このように地盤の良し悪しの目安はカンタンに分かります。これに“土地の履歴”も分かれば、さらに詳しく予想ができます。

“100年前の土地の様子” を確認しよう

昔その土地が何に使われていたのか、調べることができます。

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100年前の土地の様子を確認しよう
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■静岡県地理情報システム 『静岡県 GIS ジス』

https://www.gis.pref.shizuoka.jp/

公共施設・災害・河川・地価・グルメやショップなど、様々なジャンルの情報がプロットされた静岡県地図が検索できる『静岡県GIS』。

地図切替で「旧版地形図」を選択すると、およそ100年前(1918年・大正7年)当時の地図が閲覧できます。

画面を開くと現在位置を探し始める。任意の住所、キーワードからも検索可能。試したのは静岡市役所。オレンジの①が市役所現在地、ななめ左上の「◎」が旧建物の市役所位置を示している

凡例の「旧版地形図の地図記号」と見比べれば、昔その場所が何に使われていたのかがわかります。

地図記号の凡例(一部抜粋)。田畑や河川、海、湖沼など、当時の主要な記号がわかる

地図には「透過度」のスライダーバーがあり、現在の地図と重ねあわせて確認することもできます。

静岡県立美術館の旧版地形図。うっすらオレンジのベースが現・美術館の建物。地図記号から昔この辺りは茶畑・針葉樹林・沼田で、建物等は全くなかったことがわかる

このように過去の土地の履歴も簡単に調べられます。以前「水田だった」「河川敷だった」等がわかり、地盤の状態をより正確に推測できます。

「地盤が弱いとどうなる?」 基礎知識を知っておこう

調べたい土地のデータが分かったところで、「軟弱地盤」について知っておきましょう。

軟弱地盤になりやすい土地は、地形と履歴に特徴があります。


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軟弱地盤になりやすい土地 と そのトラブル
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①海・河川・湖沼のそば & その埋立地

海・河川・湖沼そばの低地はもともと水が集まりやすく、地盤が弱い。埋立地も「沈下」しやすいが、一見して埋立地と分からない場合も多い。砂で埋め立てた場所は「液状化」(※)の不安も


②住宅建設用に作られた 造成地

傾斜地を新たに宅地にするとき、斜面の土を削って(切土)低い場所へ下ろし(盛土)、ならして平らな土地にする場合が多い。造成されて間もない盛土部分はやわらかく、ここに家が乗ると「不同沈下」(※)しやすい。土が締まって安定するまで一般に3~5年はかかる


③水が集まってくる 谷の底地、坂の下りきったところ、もと水田

もともと堆積物などが集まった場所で、軟弱地盤が多い。水田だった場所は盛土も盛土下の地盤も軟弱になり、建物の重みで徐々に水分が抜け、家全体が沈み込む場合も。地震・豪雨に伴う土砂災害の危険もある


※液状化…地震の揺れで地盤が液体のようにゆるくなる現象。住宅や道路が持ち上がって傾く。電柱が傾き断線して停電、地中に埋設された水道管・トイレ下水管も浮き上がって使用不能等、ライフラインにも甚大な被害を及ぼす。東日本大震災時の埼玉県浦安市の事例が知られている

※不同沈下…地盤強度が均質でない土地に建物を建てた場合、硬い地盤からやわらかい地盤へ、建物が傾いて沈む現象



軟弱地盤の土地は「不同沈下」「液状化」の被害にあわせ、地震の揺れ方も大きくなり、同時にライフラインの被害も大きくなる傾向にあります。

すでに軟弱地盤の土地に家がある、地盤改良を行っていない、という人はその事実を家族で共有しておくことが大切です。

子ども・孫の代で建て替える時は改めて地盤調査をして適切な地盤改良を行い、安心して長く住める家にしてください。また備蓄やひなんの準備も、ぜひすすめておきましょう。

<地震に強い家って?> その①  “わが家の地盤”を確認しよう

● 「地震に強い家」は 土地の「災害リスク・地盤」、建物の「基礎・構造・間取り」 から考える

● 地盤の良し悪しは 民間のwebサービスで目安を確認できる

● 100年前の土地用途も 『静岡県GIS』の「旧版地形図」で調べられる

● 軟弱地盤の土地は「不同沈下」「液状化」の被害に加え、ライフラインの被害も大きくなる

● 地盤の情報を家族で共有し、家の建て替え時や備蓄・ひなんの準備に役立てたい

【監修】 内閣府火山防災エキスパート/静岡大学 防災総合センター 教授 岩田孝仁

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