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海辺のまち、用宗・石部(せきべ)地区の「津波ひなん訓練」に行ってきました!

続々完成している駿河区の「津波ひなんタワー」。この春、新たに2地区にタワーが完成。そのひとつ、石部地区の津波ひなん訓練に編集部スタッフが参加してきました。

津波ひなんは「早く・高く、逃げられる場所」へ

駿河区の西、用宗地区と焼津市との間に位置する石部地区。海沿いに昔ながらの、のどかな住宅街が広がる。すぐ背後には山があり、その手前には長く東西にJRの線路が走る

駿河区・用宗エリアの「石部地区」。
この地区に、新たに「津波ひなんタワー」が完成しました。

住宅街の真ん中にそびえる津波ひなんタワー。海岸から歩いて数分の場所にある

できたばかりのピカピカの津波ひなんタワー。
頼もしさを感じる、がっしりとした鉄骨の柱・梁とコンクリートの土台。

これなら津波の威力にも押し流されることはまずなさそうです。


これまで石部の方たちは


「津波がきたら、山に逃げるしかない」

「でも手前の線路を、どうやって乗り越えればいい?」


と津波ひなんに大きな不安を感じていました。

同地区にひなんに使える高いビルはなく、背後の山へ逃げるには線路を越えていかなければなりません。

ですがひなん時に踏切を使いたくても、地区からは遠い距離にしかないのです。


一秒を争う津波ひなんで、お年寄りが踏切まで遠回りしていては、すぐに津波に追いつかれてしまうでしょう。

また訓練とはいえ、列車の行き交う線路を横断するわけにもいかず、「いちども山へ逃げる訓練をしたことがなかった」と話す方もいました。


そんななかでの、みなさん待望の津波ひなんタワー完成なのです。

いよいよ、「津波ひなん訓練」開始です!

3月12日の日曜日。
午前10時。

春を思わせるうららかな陽気のなか、同報無線(防災無線)から訓練用のアナウンスが流れます。

石部のみなさんが、ぞくぞくとタワーに集まってきます。

小さな子どもの手を引く人、杖をつくお年寄りに付き添う人、ペット連れの人。集まってくる人は皆それぞれ

黄色いヘルメットをかぶった石部の自主防災組織(町内会の防災担当チーム)の方たちを中心に、人の輪がふくらんでいきます。

町内会の組ごと集合、出欠をとります。
参加者は100人ほど。

「きのう市の防災メールが来て、訓練があるのを知って。急きょ参加しました」と、ここに住んでまだ数年という子ども3人を連れたママ。

地域の被害想定マップを手に、タワーをじっくりと見上げる男性。

仲良くおしゃべりに花が咲いているご婦人たちは
「津波が心配なのにひなん訓練ができなくて、ずっと困っていたの。タワーができて、本当にありがたいです」と口ぐちに教えてくれます。

なかにはすこし離れた地区に住むという女性も。
熱心にタワーの写真を撮影しています。

「東京にいる息子が戻ってきて石部に住みたい、と言っていて。今日は私が代わりに様子を見にきました。津波は心配だけど、このタワーができたから引っ越しの話も進みそう」とうれしそう。

市や町内会の方からお話を聞き、さぁ、いよいよタワーを登ります!

編集部スタッフもみなさんに混じって、トントントン。
真新しい鉄骨の階段を登ります。

「すべり止めがあるから、登りやすい」

「一段が低くて、ラクでいいね」


あちこちからタワーの感想を言い合う声が聞こえてきます。

段差のないスロープを選んで登る人もたくさんいます。


あっという間に屋上です。

屋上は人でいっぱい。防災ベンチを開けてみたり、柵越しに自宅からのひなん路を確認してみたり。みんなワイワイ楽しそう

はじめて上がったタワー屋上。
目の前にキラキラと輝く海が広がります。

そして改めて、海の近さを感じます。

高い場所で楽しそうにはしゃぐ子どもたちをみて、「ここを使う日が絶対に来てほしくない」と危機感を新たにした方も多かったでしょう。

「津波ひなんタワー」って、どんなもの?

津波ひなんに建物を使うとき

■「津波ひなんビル」 … 指定された、もともと地域にあった高いビル

■「津波ひなんタワー」 … 適切なビルやひなん場所がない地域に新設する、ひなん専用タワー

の2つがあります。

用宗エリアの津波ひなんビルの一例、「用宗老人福祉センター」。静岡市全体では142ヵ所の津波ひなんビルが指定されている(2016年12月末現在)

今回津波ひなんタワーは石部に加え、用宗2丁目にも完成しました。

用宗2丁目の津波ひなんタワー。長田南・中島・大里東地区など、これで駿河区では計6つの津波ひなんタワーが整備された

石部の津波ひなんタワーの高さは6m以上。

高さは被害想定に応じて設定。道路との高低差はコンクリート造の1階踊り場が1.5m、屋上で6m以上(海抜12m以上)の二段階

【石部・津波ひなんタワーの特徴】

○150人収容可/踊り場とあわせると300人

○スロープ (車イスや杖の方に)

○太陽光発電の照明 (バッテリー内蔵)

○防災ベンチ 

○地震開錠ボックス (震度5以上でキーボックスが自動開錠。カギを取り出し、ふだんは施錠されているタワー内に入れる)

海側・山側に車イスでも登れるスロープ、無日照でも丸3日点灯する照明、防災グッズを収納しておける防災ベンチ等が設置されています。

津波ひなんタワーができても、大切なのは“ひなんの心構え”

「住民の方には地区の津波被害想定を知っていただいて、もしもの時は速やかにひなんできる心構えをしてもらいたいです」と、津波ひなんタワーについて教えてくれた静岡市危機管理総室津波対策グループ副主幹の上石さん。

同地区の津波浸水想定(地面が水で覆われたときの深さ)は深い場所で約2m、タワー設置場所で約1.1m。津波到達まで10分未満と想定されている

「防災ベンチに入れる備蓄品、まずはトイレ用品にしようと考えているんだ」と、同町内会副会長の田村さん。

石部のみなさんが頼りにする田村さん。行政と密にコミュニケーションをとり、防災力向上に力を注いでいる

「津波ひなんをどうするか。東日本の震災のあと、私たちの地区でも議論が高まってね。

ここは高齢化がすすんだ地区。足の悪い高齢者が踏切まで遠回りして逃げるのでは、とても間に合わない。

タワーができたことで、山とタワーと、津波ひなんの選択肢が増えて本当によかったよ 」

と話してくれました。


今回の津波ひなん訓練で、石部地区の防災意識はいっそう強いものになったはずです。


津波ひなんには、知っておきたいポイントを語呂合わせにした「たすとひく」、があります。

【 津波ひなんの 「たすとひく」 】

これなら津波に関心のうすい人でも、覚えやすいはず。


編集部スタッフは、津波ひなん訓練に参加したのは初めてでした。これからも、津波への危機感を忘れず心に留めておかなければ、と強く感じた経験でした。

みなさんのお住まいの被害想定はこちらで確認できます。

静岡市防災情報マップ

http://www2.wagamachi-guide.com/shizuoka-hazard/

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