大地震が起きたときは、必ず長期間停電が続きます。
停電になればテレビはもちろん、パソコンや固定電話、バッテリーが切れたスマホ・ケイタイも使えません。つまり非常時のいまこの瞬間、世の中がどうなっているのか、情報がつかめないのです。
ここで電池があれば動く、ラジオの出番!です。
静岡市と76.9 FM-Hi!が共同で企画した「静岡市緊急情報防災ラジオ」。電源が切れていても非常時は自動起動、大音量で同報(防災)無線やひなん情報を知らせてくれるスグレモノ。
■電池で動く (乾電池があれば停電に関係なく情報入手できる)
■持ち運びできる
■情報源が信頼できる (平時から行政・ライフライン・交通機関等と連携)
■ひとりでなく、みんなで聴ける
■クルマが無事なら、カーラジオも使える
とラジオならではの良さは多くあります。
「コミュニティFM局」とは市町村単位をエリアとして、地域の身近な情報を発信する放送局。
静岡市にはコミュニティFM局「76.9 FM-Hi!」があります。
今年で20周年を迎える 76.9 FM-Hi!(株式会社シティエフエム静岡)。静岡市街中、七間町の青葉公園沿いのビルに本社・スタジオがある
可聴エリアは静岡市を中心に約80万人・28万世帯。ふだんは地元ニュースや街ネタ、音楽番組などを放送していますが
■震度6弱以上 の地震発生
■「東海地震注意情報」 の発令
■「大雨特別警報」、「大津波警報」 の発令
等の非常時には災害放送本部が設置され、緊急災害情報が放送されます。
大地震がくれば、自分が元気に動ける、充電できてインターネットがつながる、家で寝られてクルマが使える…こうした日常のすべてがひっくり返ってしまいます。
そんなときもラジオがあれば、地震後の生活に必要な情報が手に入ります。
もしも震度6弱以上の地震が発生した場合、76.9 FM-Hi!では以下のような放送内容を想定しています。
今回お話を伺った、業務部長の永田朋徳さん。災害時はスタジオ担当デスクとして放送の維持にあたる
【地震直後】
・「余震に注意」「津波に注意」「電気ブレーカーを切る」等の注意喚起
→二次被害を防ぐため、地震直後の注意事項を繰り返し放送する
【数時間~半日後】
・静岡市から発表された、ひなん情報・被害情報
・医療機関の状況
・交通関係(JR、静鉄、バス、道路)や ライフライン(電気、ガス、水道、電話、原発)の状況
→できるだけ市内の被害状況を伝える
【1日~2日後】
・ひなん所開設、給水所、食料供給場所等の情報
・安否情報(訪ね人や生存確認)
→被災生活に必要な暮らしの情報、安否情報が入り始める
→引き続き医療、交通、ライフライン情報も放送
【1週間後】
上記の最新情報に加え
・行政への各種届出、ゴミ回収、仮設住宅等の情報
・スーパー、ガソリンスタンド、銭湯などの営業情報
・ほか、一般企業からの提供情報
となっています。
「災害時はふだんお付き合いのあるスーパー、ガソリンスタンド、新聞店さん等から情報をいただく手はずになっています」と永田さん。地元店の営業情報がわかれば、被災生活の不安も少しは軽減されるはず
このように地震後76.9 FM-Hi!が聴ければ、静岡市に住む私たちにとって身近で必要な情報がわかります。
これは全国ネットや県内すべてをエリアにしている局で放送は、なかなか伝えられない貴重な情報です。
76.9 FM-Hi!では通常のラジオ放送に加え、インターネットでも放送(音声)を聴くことができます。
(↓放送中の場合、クリックすると音がでます)
スマホでインターネットラジオページにアクセス。76.9 FM-Hi!のロゴとともに、現在放送中の音声が流れてくる
つまり、非常時ラジオがなかったとしても、インターネットラジオの存在を知っていれば、スマホ・タブレット等でラジオ放送を聴くことができるのです。
稼働中のインターネットラジオ専用スタジオ。ここで電波の放送を変換、インターネット回線に配信している
ただし災害時停電が続くなか、スマホの貴重なバッテリーをずっとラジオに使うことはできないでしょう。インターネット回線も必ず接続できるとは限りません。
ですからスマホでのインターネットラジオは、平常時に楽しむもの、と考えてください。
非常時は防災用に用意したラジオ端末をメインに、インターネットに接続できて充電も確保できればスマホでラジオを聴ける、と覚えておきましょう。
はじめて76.9 FM-Hi!を聴く人は、まずはFM局の「76.9MHz」にダイヤルを合わせてみましょう。
自宅がコンクリート造マンションだったり、地形的に電波の届きにくい場所だったりした場合、聴き取りにくいことがあります。
放送が聴きとりにくいな、と感じたときは、
→①ラジオを窓辺に持って行く
→②ラジオアンテナを「トップセンタービル」方面に向け、受信状態が良くなるよう調整
(76.9 FM-Hi!の「電波送信所」は新静岡セノバ近く、葵区伝馬町の「トップセンタービル」にあり)
を試してみてください。
それでも改善しない場合は
→③付属アンテナを確認する
ラジオ購入時に「FM受信用T型アンテナ」が付属していれば接続を。ワイヤー型アンテナがあれば窓際のカーテンレール等に沿わせ高い場所に持って行くと改善する場合も
→④感度の良いTVアンテナを利用する
壁から出ているTVアンテナケーブルを、二股になった「分波器」に接続。二股それぞれにケーブルをつなぎ、ひとつはTVに、ひとつはラジオ背面等にある「外部アンテナ端子」につなぐ
(注_分波器とケーブルは新たに用意。外部アンテナ端子がないラジオもあり)
等を試してみてください。
大地震後のような非常時は、ラジオで人の声が聴けるだけでもホッとします。平常時のうちに、ぜひ防災用ラジオの準備をすすめておきましょう。