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自分のマンションの「防災力」を知ろう!

マンションの防災力は建物耐震性とともに、住む人自身の防災対策も大いに関係します。トイレ・ドア・防災資機材等マンション特有の防災ポイントと、各地の役立つ事例を紹介します。

自分のマンションの「防災力」を知ることで、防災意識は高まる

住んでいる人も、これから購入の人も気になるマンションの「防災力」。

自分のマンションに「どれくらい防災力があるか」、最低限知っておきたい5つのポイントを確認してみましょう。

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マンション防災力  5つのポイント
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【マンション全体】

[1] 耐震性

[2] 玄関ドア の閉じ込め対策

[3] 防災用資機材 の配置

【各家庭で】

[4] 水 の備蓄

[5] 簡易トイレ の備蓄

[1] 耐震性 は、マンション購入時に受けた「重要事項説明」のなかに、「耐震診断の有無」があります。

対象は建築年が1981年5月31日以前の「旧・耐震基準マンション」。それより後に建築の「新・耐震基準マンション」には説明義務はありません。


自分のマンションが「旧・耐震基準マンション」の場合、耐震診断を受けているか、問題ナシとなっていたか、確かめましょう。

診断結果が「耐震補強工事が必要」となっていたら、「管理組合議事録」で工事の状況をチェックするか、改めて管理会社に照会し、工事の実施状況や予定を忘れず確認してください。

「新・耐震基準マンション」だった場合も

「震度●まで建物は倒壊しない、その場合○階にある自宅内は~~程度の揺れ、家具家電の固定は△%済んでいる」

等、階数による揺れの違い(高層階ほど大きく長く揺れる)を考慮した自宅屋内の被害想定を知っておきましょう。このステップを踏むことで防災意識が高まり、面倒に思える防災の備えも「マンション生活に必須の条件」と気持ちが変わってきます。


[2] 玄関ドア と  [5] 簡易トイレ   

は前回コラムで

・玄関ドアは「耐震仕様に交換」しておくのも一案
・簡易トイレは「家族4人なら112回分の備蓄」が目安

等をお伝えしています。


→ <グラッときたら。自宅編③> 「マンション防災」はトイレが一大事

[4] 水 の備蓄  は下記コラムを参照してください。

→ <モノの備え①> 静岡市に住む人の“水の備え”とは

水の備蓄は、運び上げが困難な高層マンションにおいては特に緊急度の高い問題です。

備蓄の目安は「ひとり1日3リットル、一週間分あれば安心」といわれますが、これは家族4人・一週間分なら2Lペットボトルで42本。

つまり 6本入[ダンボール7箱分]の、大容量保管スペースが必要です。

これを面積の限られたマンション室内で収納するのはなかなか難しいモノ。クローゼットや納戸、ベッド下など活用できるスペースを複数みつけて、早めに備蓄を進めておきましょう。


[3] 防災用資機材 ですが、

防災用資機材とは、消火設備・機材、防火水槽、発電機・燃料、備蓄トイレ、防災マニュアル等のこと。自分のマンションにどんな防災用資機材があるのか、管理組合の経験者以外は知る機会も少ないでしょう。

管理組合に直接問い合わせる等してどんな防災設備があって、防災グッズはどこに、どれぐらいの量が保管されているのか、ぜひ確認してみてください。

消火用ポンプや救出用バール・ジャッキなど、あれば命が助かる資機材は最優先で配置しておきたい

「じゃあ静岡の他のマンションはどうなの?」と思ったときには、静岡県が県内1200カ所以上のマンション管理組合にアンケートをとった調査があります。

静岡県の分譲マンション、防災対策はすすんでいない

■『分譲マンションにおける防災対策調査』  平成26年3月

https://www.pref.shizuoka.jp/kenmin/km-310/garden/documents/mansion_bousaitaisaku.pdf

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静岡の分譲マンションの防災対策、どうなっている?
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【 質 問 】 
「マンションで保有している、防災資機材はありますか 」※個人備蓄除く

上記のように、住民共有の防災用設備・備蓄を持つマンションは全体の1~2割。防災対策は進んでいるとはいえません。

やはり防災の備蓄はマンション住民が各家庭ですすめなければならないことが分かります。


【 質 問 】 
「自主防災組織を結成していますか」

【答】
「マンション独自の自主防災組織」を結成 → 2割弱

「地域の自主防災組織」に所属 →約5割

どちらの組織にも、属していない → 3割強


となり、3割強ある「どちらの組織にも、属していない」マンションは不安が残ります。こうした場合、新たにマンションで自主防災組織を結成することも必要です。


【 質 問 】
 「マンション居住者だけで、防災訓練を実施していますか」

【答】
防災訓練を実施しているマンションは、3割未満にとどまっています。


またマンション防災の課題については、多くの意見が寄せられました。

【 質 問 】 
「あなたのマンションで、防災対策で課題となっていることは何ですか」

【 答 】 

■防災への関心がうすい、防災訓練の参加者が少ない
・防災訓練は決まった人しか出ない
・プライバシーがあり、居住者数の確認も難しい状況
・災害発生の日時によっては、管理組合のリーダーが仕事で不在になってしまう
・「地震対応マニュアル」を全戸に配布済だが、住民に浸透しているのか分からず不安

■住民のコミュニケーションが希薄
・マンション住民同士の交流が少なく、いざという時が心配
・賃貸入居の方の把握がたいへん
・住民登録はしてあっても、実際には住んでいない所有者も

■高齢者が多く、ひなんが不安
・住民の高齢化が進み、身体の不自由な方、ひとり暮らしの方に誰がどのように対応すればいいのか
・海の近くにあるため、ひなんは屋上か、徒歩15~20分かけて山の手か。判断しかねている
・とくに夜間の災害が心配。発電機はあるが、建物規模に対して能力不足

■防災用設備や備蓄の未整備
・非常用発電機、マンホールトイレ、エレベーターの停電自動作用バッテリー等の未設置
・ひなんに使う外階段に手すりがなく、市に申請中(市よりひなんビルに指定されている)
・機械式駐車場が地下1階にある。水害時、クルマのひなんをどうすればいいのか

■行政との連携
・「津波ひなんビル」に指定されたが、地域と申し合わせ事項がない。何名位ひなんしてくるのか分からず、食料の備蓄等もなく、不安。また具体的に何をすればいいのか分からない

・地域に自分たちのマンション以外高い建物がなく、災害時近隣住民がひなんしてくる可能性がある。だが建物が古く(旧・耐震基準)、耐震強度が不明なため公費で耐震診断してほしい


このように「防災先進県」といわれる静岡県でも、マンションの防災意識は高いとはいえません。

被災後もマンション内で生活を続けるためには「誰かが何とかしてくれるだろう」と考えず、平時のうちにマンションの防災能力を知り、対策を考える必要がありそうです。

自主防災組織があれば、最大30万円の購入補助金を活用できる!

防災資機材の整備には、自治体からの購入補助金を活用できます。

静岡市の場合、対象は個人ではなく自主防災組織。年度1回限り、最大30万円まで補助金が出ます。
※可搬型ポンプ本体は1回限り・40万円まで

【 静岡市 防災関係補助金 一覧】

http://www.city.shizuoka.jp/000_001479.html

>対象資機材はこちら

http://www.city.shizuoka.jp/000073488.pdf

対象は消火用の「消火器」、救助救出用の「バール」「ジャッキ」、被災生活用の「発電機」「水のポリタンク」など広範囲にわたり、一般的な防災用資機材はほぼカバー。防災倉庫の設置費や土地借地費用も対象です。

マンションの自主防災組織があれば、こうした補助金を活用して徐々に防災資機材を整備していくことも可能なのです。

加古川・新宿・川崎・仙台の「マンション防災事例」を知ろう

全国に目を向ければ積極的にマンション防災に取り組んでいる地域があります。

・地域住民の8~9割が集合住宅居住者

・過去に震災を経験

等その理由は様々ですが、いずれも静岡のマンション防災にも取り入れられるヒントが盛りだくさんです。

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全国4地域の マンション防災事例
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【1】兵庫県加古川市のマンション_「加古川グリーンシティ」

→阪神・淡路大震災を経験した大型マンション「加古川グリーンシティ防災会」。「屋台炊き出しでお祭り風防災訓練」「全戸LAN配備で緊急情報伝達」等、自主防災組織として数々の受賞歴がある。

防災井戸の掘削、人が集まる防災訓練、住民同士のコミュニケーションUP方法など具体的な事例が満載

【2】宮城県仙台市_「分譲マンション 防災マニュアル作成の手引」

→東日本大震災では約1400棟の分譲マンションが被災

東日本大震災の被災実例、集合住宅特有の被災後の課題、被災者体験談が役立つ

【3】東京都新宿区_「マンション防災 はじめの一歩」

→住民の8割が集合住宅に住む。分譲マンションの防災マニュアル整備率18.7%(平成20年)

自主防災組織のつくり方や災害時の動きの具体例、実際のマンションの活動事例も

【4】神奈川県川崎市高津区_「集合住宅の防災マニュアル作りガイド」

→首都圏へ通勤圏内の川崎市全体で、タワーマンション激増中(武蔵小杉駅周辺等)

マンションならではのトイレ、非常食、水の確保など被災生活の知恵が充実

各地の事例を参考に、もう一度自分のマンション防災について考えるきっかけにしてみてください。

自分のマンションの「防災力」を知ろう!

● 自分のマンションの防災力、「5つのポイント」を確認

● 階数による揺れの違いを考慮した、自宅屋内の被害想定を知っておく

● 管理組合に頼らず、各家庭での防災の備えが必須

● マンション自主防災組織があれば、防災資機材に最大30万円の補助金が使える

● 各地のマンション防災事例を参考に、自分のマンションの防災力UPを

【監修】 内閣府火山防災エキスパート/静岡大学 防災総合センター_センター長・教授 岩田孝仁

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