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<地震に強い家Q&A その1> 知っておきたい 「耐震性」のきほん

静岡で家を建てるなら、避けては通れない地震対策のこと。今回は「耐震性」の素朴なギモンを中心に、静岡県独自の上乗せ耐震基準「地域係数1.2」の情報も交えてお伝えします。

【 contents 】

■Question 1  木造住宅は、地震に弱い?

■Question 2  国の「耐震基準」を守れば大丈夫?

■Question 3  「耐震等級」ってなに? 耐震基準と、どう違う??


【 Question 1 】 木造住宅は、地震に弱い?

A. いいえ、そんなことはありません。

どんな工法でも「耐震等級」(※後述)が同じ等級なら、理論上地震への強さは同じです。木造でも鉄骨造でも、耐震性は変わりません。

「木か、鉄か」では木材が弱そうに感じるかもしれませが、丈夫なイメージのある鋼材でも規定より薄かったり細かったり、接合部の溶接・ボルト締めが不十分であれば揺れに耐えられません。

一方築年数の経った木造が“メンテナンス不足”だった場合、腐りやシロアリ被害で構造の劣化が進む場合があります。鉄骨造もサビ等が発生し放置されれば、同じことです。

つまり

・必要十分な材料で
・キチンと施工され
・定期的にメンテナンスされていれば

どの工法を選んでも大丈夫、ということになります。

【A1.のまとめ】木造住宅は、地震に弱い?

・どの工法でも、耐震等級が同じなら、地震への強さは変わらない


【 Question 2 】 国の「耐震基準」を守れば大丈夫?

新築で家を建てるとき、国の建築基準法にある「耐震基準」を守ることが義務付けられています。

■震度6強から震度7程度の地震でも、建物が倒壊(※)しない  
※人の生存空間が残らないほど崩れ落ちる状態
■震度5強程度でも、建物が損壊しない

が、現在の耐震基準の目安です。


私たちが何も要望を出さなくても、住宅会社は耐震基準をクリアしたプランを提案してくれるので、心配いりません。

ただしこの耐震基準は、人命が守られる“最低ライン”までしか保証していません。


===< 耐震基準の“最低ライン” とは>===

揺れた瞬間、建物の倒壊はまぬがれ、人命は助かる


ただし建物の半壊、一部損壊は発生。建物に被害が出るのは仕方ない
熊本地震のような震度7が繰り返す大地震は想定外


最悪、転居や建て替えが必要な場合もあり

======================
つまり  

⇒ 国の耐震基準を守って建てた家でも、全壊(※)する場合もあり
※構造の柱・梁が破壊され、倒壊する手前の状態

となり

何千万円もの住宅ローンを組んでやっと手に入れた念願のマイホームが、一度の地震で住み続けられなくなってしまうかもしれない、

というのが国の耐震基準なのです。



…ですが、ここまでの話は、いわゆる一般論。
実は耐震基準のルールは、全国一律ではないのです。


静岡県では任意の規定ではありますが、昭和59年から

■県内で建てる建物は、国の耐震基準の [1.2倍の強度] にする

という、県独自の指針を設けてきました。

この指針は県中部地域を対象にスタートし、段階的にエリアを拡大。平成14年には静岡県全域が[1.2倍の強度]対象エリアとなりました。

この数値を専門用語で「 地震地域係数 じしんちいきけいすう 」といいます。この指針は今年2017
年10月より、義務化されることが決定しています。

国の耐震基準を1.0としたとき、地震の発生確率に応じて耐震性を下げて建築できる「地震地域係数」。静岡県だけは東海地震を鑑み、独自基準で1.2としてきた。大地震のあった熊本では0.8~0.9となっており、耐震性の低い建物が被害拡大の一因になったと考えられている。 出典:静岡県 くらし・環境部建築住宅局 建築安全推進課 建築確認検査室 チラシ「建築物の耐震基準を強化します」より

この[1.2倍の強度]の指針は静岡県の信頼できる住宅会社なら、ほぼ全ての会社が知っている・守っている指針です。このとき建設コストは木造住宅の場合、ほとんど影響がない、と考えられています。


ですから静岡県では昭和59年以降はエリアによって、平成14年以降は県内どこでも、家を建てるとなれば自然と国の耐震基準の[1.2倍の強度]の家が建っていたのです。


インターネットで家づくりの耐震性について調べたとき、一般論と静岡県の場合と、きちんと区別して書かれている情報は多くありません。

住宅会社と耐震性について話すとき、「ウチは○○だから安心ですよ」と言われたら、「静岡県基準の1.2倍の耐震性よりも、更に耐震性が高いということですか?」と確認できるぐらい、よく覚えておいてほしいポイントです。

【A2.のまとめ】 国の「耐震基準」を守れば大丈夫?

・国の耐震基準は“最低ライン”。人命は守られるが、家の損壊はあり得る
・静岡で建てる家は、県独自条例で国の耐震基準の[1.2倍の強度]と定められている


【 Question 3 】 「耐震等級」ってなに? 耐震基準と、どう違う??

「耐震等級」とは、建築基準法の耐震基準と比べて、どれぐらい強い耐震性があるか?を3段階でわかりやすく示した基準です。

=== 【耐震等級の3ランク】 ===

耐震等級 1  = 建築基準法と ほぼ同等の耐震性

耐震等級 2  = 建築基準法の 1.25倍レベル の耐震性 (学校・病院レベル)

耐震等級 3  = 建築基準法の 1.5倍レベル の耐震性(警察署・消防署レベル)

=================

「耐震等級」は「住宅性能表示制度」の10ある評価基準のうちのひとつ。利用は任意。耐震等級が高いと地震保険料の割引や公的住宅ローンの金利優遇が受けられるメリットもある

耐震等級は、私たち自身が選ぶものです。

現実として耐震等級のランクを上げれば予算はアップし、間取りもある程度制約を受けます。

ですがある試算によれば、耐震等級3にするための建築コストアップ目安は、坪1~1.5万円。間取りの制約も設計者の力量に大きく左右される、との声も聞かれます。


「ここに柱がくるのなら、耐震等級2でいいよ」

「もともと地盤が軟弱(※)だから、耐震等級3は絶対はずせない」


※[地盤が軟弱]の注意点…もともと沼地や湿地帯等で、地盤が軟弱(やわらかく不安定)な場所では耐震等級を上げ、倒壊しづらいよう建物の構造をより丈夫にする必要がある。ただし建物の改良だけでなく、「地盤改良」や「基礎の強化」も合わせて行うことが重要


まずは私たち自身が耐震等級の概要を把握し、予定の土地・建物条件と照らし合わせられるようになりましょう。そうすればどの耐震等級を目指せばいいのか、ある程度判断できるようになってきます。

依頼したい住宅会社が耐震等級に関心がなければ「耐震等級3の家にしたい」と伝えることもできますし、「耐震等級3がウチの標準です」という住宅会社に「わが家は耐震等級2で十分です」と要望を出すこともできるのです。

そのときプラン完成後に「やっぱり耐震等級を上げたい」となると、不自然な場所に壁や筋交いを増やすことになり、せっかくの開放感が台無しになる場合も。耐震等級をいくつにするかは、プラン作成のスタート時に決めているのがベストでしょう。


耐震性能に関する知識は、とても専門的です。

まずは信頼できる住宅会社を選ぶことが大切です。その会社の標準プランの耐震性だけでなく、実際に建てる土地・建物の耐震性について、担当者が親身になってくれるかがチェックポイント。

耐震性も予算も間取りも、私たちにとってはどれも甲乙つけがたい重要な要素です。

耐震等級をいくつにするかは、私たち自身が耐震の基本をよく理解したうえで、住宅会社と深くコミュニケーションをとりながら決めていきましょう。

【A3.のまとめ】 「耐震等級」ってなに? 耐震基準と、どう違う??

・耐震性を3ランクで示す目安が「耐震等級」。利用は任意
・「耐震等級」を上げると、建築コストUPや間取りの制約は発生する
・私たち自身が耐震の基礎知識を持つことで、納得できる家づくりができる
・「耐震等級」をいくつにするかは、住宅会社と話し合いながら、私たち自身が決める

<地震に強い家Q&A その1> 知っておきたい、「耐震性」のきほん

●木造でも鉄骨造でも、耐震等級が同じなら、地震への強さは変わらない

●国の耐震基準は“最低ライン”。人命は守られるが、家の損壊はあり得る

●静岡で建てる家は、県独自条例で耐震基準の[1.2倍の強度]と定められている

●耐震性を3ランクで示す目安が「耐震等級」。利用は任意

●「耐震等級」をいくつにするかは、住宅会社と話し合いながら、私たち自身が決める

【監修】 内閣府火山防災エキスパート/静岡大学 防災総合センター_センター長・教授 岩田孝仁

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