【Profile】ボランティアスタッフ 松浦康政さん:4年前から年間を通じて、SPACの公演を受付・案内スタッフとして支えるベテランのボランティアスタッフ。
「初めて見たSPACの舞台は"シンデレラ"。知っていた物語のはずなのに、お城も出てこないし全く違うお話で、本当に今のは何だったんだろう…って、頭が"???"だらけ。でもその衝撃が忘れられなくて、演劇のトリコになってしまいました」と松浦さん。それまでは演劇に触れる機会も少なく、映画や読書などと同じ娯楽のひとつとして認識していたが、固定概念を覆される楽しさにハマってしまったのだという。「あらすじやストーリーに縛られず、無限に広がっていく"ハテナを楽しむ"ことができるのが、演劇のいいところだと思います(松浦)」「逆に古典作品なんかは、どんなあらすじなのか、先に予習しておいた方が楽しめるかも(柚木)」
【Profile】SPAC芸術局長 成島洋子さん:演劇制作者。静岡市生まれ。慶應義塾大学文学部卒。1998年より静岡県舞台芸術センターの制作部スタッフとして活動を開始。制作部主任を経て、現在、芸術局長。
「そうなんです。演劇は、"この先どうなるんだろう?"とあらすじを追っていくというよりも、目の前の舞台で何が起こっているかどう展開するかを楽しむもの。例えばシェイクスピアの『真夏の夜の夢』が演目だとすると、あらすじを知っていても、演出・舞台装置・誰がどんなふうに演じるのかによって、全く別物になる。そこが醍醐味とも言えます」とSPAC芸術局長の成島洋子さん。「ストーリーを追うだけではなく、目の前の役者さんがどれだけ輝くか、同じ脚本でも作る人と演じる人が違うだけで、無限大に広がる生の瞬間を感じて欲しいですね(成島)」
【Profile】スノドカフェ代表 柚木康裕さん:静岡市内にあるスノドカフェ代表であり、『ふじのくに⇄せかい演劇祭』では、舞台芸術公園内のカチカチ山で、野外劇場の公演後に飲食を楽しめるフェスティバルbarをプロデュースしている。
「演者と演出だけではなくて、見ているお客さんが違うと、また全く違うものになるのが舞台ならでは」と言うのは、野外劇場での公演後に行われる「フェスティバルbar」をプロデュースするカフェオーナーの柚木康裕さん。「特に野外劇場の場合は、風の音や木のざわめきなど、ある種のノイズが時に舞台に魔法をかけてくれる瞬間があるんですよ(柚木)」。「SPACの野外劇場では、基本的に雨天決行なんですよ。雨合羽や毛布を用意して、その日だけのナマモノの舞台を楽しんでもらうんです。(成島)」「だから、お客さん同士にも妙な一体感が生まれることもあったりして。あとから伝説の舞台って語り継がれたりね(笑)(柚木)」今回GWに開催される「ふじのくに⇄せかい演劇祭」では、その奇跡を集まった人全員で体感できる、まさにフェス感覚で楽しめるイベントになっている。
野外劇場で上映された『ふたりの女』(2009年 撮影:橋本武彦)
「ふじのくに⇄せかい演劇祭」では、終演後に舞台芸術公園の中で行われるフェスティバルbarにも注目!「静岡おでんやパキスタン料理など、自信を持ってオススメできる6~7店舗が出店します。舞台後の打ち上げを、お客さんも俳優陣も一緒になって楽しめる貴重な機会ですよ」と柚木さん。駅までのシャトルバスも出ているから、アルコールが入っても大丈夫。花が咲き新芽が芽吹く最高の季節に行われる演劇祭にぜひ足をはこんで、新しい世界を体感してみては。もしかしたらこれからのGWの定番の過ごし方になるかも?