1. ホーム
  2. コラム
  3. 縄文時代の遺跡が舞台! 時を超えて、地元の良さに出会う【柚野の里まつり】
2017年02月22日

縄文時代の遺跡が舞台! 時を超えて、地元の良さに出会う【柚野の里まつり】

イベント開催を知らせるチラシには、竪穴式住居の前でポーズをとる男性(毛皮着用&裸足)の笑顔と、「俺に会いに来てね! by 縄文人」の文字。なぜ縄文人。なぜ富士宮市で竪穴式住居。一体どんなまつりなのか、会場では何が行われるのか? 大鹿窪遺跡で開かれたイベント「柚野の里まつり」に参加してきました。

火おこし、土器づくりに縄文汁の振る舞いも。はるか昔のムラに、現代の笑顔があふれる

富士宮市を流れる芝川。その東岸の小高いエリアには、大鹿窪(おおしかくぼ)遺跡という1万2500年前の遺跡がある。縄文時代のはじめ、人々が家を建て集団生活を営んでいたことを伝える例として国の史跡に指定。この年代の国指定史跡は全国で2つのみというから相当に貴重なものだ。

その大鹿窪遺跡がイベントの舞台。広場には竪穴式の住居が復元されている。土器づくりや火おこしなどの体験も用意され、縄文の昔にワープした気分を味わえそう。

■柚野(ゆの)の里まつり
2016年11月26日(土) 11:00~18:00
会場 大鹿窪遺跡(富士宮市大鹿窪)1566


すっきり晴れた秋の日。会場は早い時間からにぎわっていた。
農産物、ビール、日本酒、お惣菜に焼き菓子など
このエリアの特産品を扱う店、地元の人気店が並んでいる。

開会は、点火式から。
ここで現れたのが「縄文人」。
髪とひげを伸ばし、毛皮を身につけ、裸足で歩くこの男性、
これはもう、どこから見ても縄文人だ…!


縄文人はとても礼儀正しくサービス精神も旺盛。
子どもと一緒に記念撮影に応じたり、
笑顔でポーズを決めたりしてくれた。やさしい。


このイベントの特徴的な体験としては、まず土器づくり。
陶芸家が講師となって手順を教えてくれる。
土を触るのって、それだけで気持ちいいんだよね。

この土器づくり、2年をかける本格的なもの。
「制作」と「焼き」の2つの工程を1年ごとに行っており、
今日つくった土器は、来年のまつりで「焼き」を行うのだ。
つまり、一年前に形を作った土器が・・・


一年後の今日、こうやって焼かれている!!
なんとも壮大というか、夢のある体験ではないか。

もうひとつ縄文感のある体験といえば、火おこし。
ライターもマッチもない縄文時代、
火をおこすのは大変なことだったはずだ。
いまはスイッチひとつ、わずか1秒で火をつけることができるが、
道具を使って火をおこすとなると、


本日の火おこしランキング、現時点の1位は4分42秒。
うーん、なんという重労働なんでしょう。
そして「チーム縄文人」はまさかの3位。
(縄文人、見た目では誰より火おこしが得意そうなのに)


さらに「縄文汁」のふるまいも。
ねぎ、しいたけ、ごぼう、だいこん、しょうがなど
富士宮市内の生産者の手による地元野菜がたっぷり。
地元で狩ったイノシシの肉も入り、これまた地元製の味噌で味付け。


大人気につき午前中の分はおしまい。


無料でふるまわれるのは汁物だけではない。
柚野にある富士錦酒造の樽酒も配られた。
すっきりした秋晴れの空の下で飲む日本酒は、またおいしい。


柚野の里とよばれるこのエリア、もちろん柚子の名産地である。
直売コーナーでは、どっさりの柚子を販売。
ビニール袋にたくさん詰めたものを買って帰って、
ポン酢にしようかジャムにしようか、はたまた柚子湯で温まろうか。


ぎんなんの収穫も盛ん、晩秋のいまはシーズン真っ盛り。
殻つきの実と、ぎんなんの炊き込みご飯と、
ぎんなんが大好きでどちらかを選べない筆者はどちらも買った。


ステージでは中高生による和太鼓の演奏や合唱、大学生によるダンスサークルの発表も。


小規模なイベントながら、会場は地元の人を中心に来場者であふれ、
体験ブースも食のブースもにぎわっていた。
はるか昔の縄文時代、ここにあった集落でも、
こんなふうに人が集まって一緒に飲んだり食べたりしていたわけで。

富士宮に縄文時代の貴重な遺跡があったのだ!という驚きとともに、
地場の食材の豊富さを実感し、
さらにディープな面白さもありそうだと思わせる「柚野の里まつり」でした。

柚野(ゆの)の里まつり
2016年11月26日(土) 11:00~18:00
会場 大鹿窪遺跡(富士宮市大鹿窪)1566
主催 富士山まつり推進委員会

類似のコラム