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2017年03月01日

上野の里の酒蔵巡り、その2。「牧野酒造」で創業270年の味を楽しむ

富士山の伏流水に恵まれた富士宮市。市内の酒蔵では年明けから3月にかけて順に蔵開きが行われ、早春の風物詩となっている。そのうちのふたつ、同じ上野エリアに蔵を構える「牧野酒造」と「富士正酒造」は2009年に初めて合同酒蔵巡りを共催した。蔵をめぐり、杯を傾け、富士宮グルメを満喫するこのイベント。第8回目となる2017年も大いににぎわいました。

「酒蔵巡り」と言うからには巡らねば。よいよい歩いて、2軒目の「牧野酒造」へ。

牧野酒造の創業は1743(寛保3)年。以来270年余りも続く歴史ある蔵元だ。富士山がもたらす湧水を使い、伝統の技をもつ能登杜氏の手によってお酒を作っている。
主要銘柄は「白糸」「富士山」「富士の白糸」など。全米日本酒鑑評会での「清酒 富士山」金賞、名古屋国税局酒類鑑評会での「特別純米酒 富士山」優等賞ほか、受賞歴も多い。富士山のやわらかな水と昔ながらの技法を組み合わせたお酒は、冷でも燗でもおいしく飲める味わいに仕上がっている。

◆第8回上野の里まつり 酒蔵巡り2017(2月5日開催)
蔵元牧野酒造合資会社
TEL 0544-58-1188

さてイベント当日。同日開催の「富士正酒造」に続き、ここ「牧野酒造」を訪ねた。
二つの酒蔵はゆっくり歩いて15分ほどの距離だ。


配布されていた地図を片手に歩いていく。
途中に誘導員もいるので道に迷う心配はない。


紅白幕が見えてきて、牧野酒造の蔵に到着。
小雨がぱらついてきたものの、客足は順調の様子。


まずは受付で、試飲用のカップを受け取る。
今日2件目の酒蔵訪問とあってこちらの手つきも慣れたもの。


入口からすぐの場所で樽酒の振る舞いが。
今年の樽酒は、1年低温熟成酒の「富士山」。
低温で貯蔵し、時の経過の中で味を変化させる限定品だ。


会場の奥にはステージが設けられていた。ちょうど、翌週に富士市で開かれるグルメイベント「2017東海・北陸B-1グランプリin富士」のPR真っ最中。
もちろん、我らが富士宮やきそばも参加予定だぞ。


ひときわ大きなテントの下では、酒蔵の特徴をいかしたオリジナル商品を販売。
牧野酒造のお酒を使ったシフォンケーキ、まんじゅう、ようかんなどがそろう。
お酒を飲めないアノ人へのおみやげにもぴったりだ。


ここで目を引いたのが、板状の酒かすをあぶってくれる試食コーナー。
焦げ目がついたところで砂糖をまぶして食べる。
コクがあってなんという芳醇な味。これは贅沢なおやつだ!


牧野酒造が提供するお酒や甘酒の試飲・販売やスイーツコーナーのほか、
にじますの塩焼き(くぬぎ養鱒場)、
きなこ餅、からみ餅(さのもち本舗)、
米粉パンやそば(百姓のパン工房)、
洋菓子(光月堂)をはじめとしたグルメや物販ブースが出店。


雨ニモ負ケズ、カップ片手にあれを買ったりこれを飲んだり。
蔵開きの楽しさの一つは、会話しながら試飲したり商品を選んだりして
作り手と買い手の距離が自然に近くなるところ。
そして、訪れた客どうしにも「おいしいですね」「毎年来てるの?」
「あっちのアレも旨いよ」なんて会話が自然に生まれるところだと思う。

富士宮の水とお酒、そこに惹かれて集まる人たちの間に生まれる交流を
心地よく感じながら、酒蔵巡りを楽しんだのでした。

◆第8回上野の里まつり 酒蔵巡り2017(2月5日開催)
蔵元牧野酒造合資会社
TEL 0544-58-1188

関連URL

http://www.makino-shuzo.com/

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