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2017年03月10日

茶産地・富士宮の底力をここから発信。新しいお茶ショップ&カフェ【 HARE 時々 OCHA 】

富士宮の農産物としてすぐに「お茶」を連想する人は少ないかもしれない。しかし、富士山から供給される水資源と良質な家畜堆肥に恵まれた富士宮は茶栽培の適地であり、多くの茶農家がいる。そんな富士宮のお茶を発信しているのが、2016年9月にオープンした専門店「HARE 時々 OCHA」。茶農家たちが連携して設立した「富士宮富士山製茶合同会社」がプロデュースする、新形態のお茶販売&カフェだ。

お茶づくりの情熱や繊細さ、お茶の楽しみ方を、作り手の立場から伝える場。

黒壁のモダンな外観にガラス張りの扉。
店に入るとまず目を引くのが、壁一面にディスプレイされた茶葉のパッケージ。
反側にはカウンターのカフェコーナーがあり、目線の先には茶畑が見える。


ここ「HARE 時々 OCHA」は、富士宮富士山製茶合同会社が運営するショップ。
富士宮の茶農家たちが合同で立ち上げた会社だ。

代表の土井さんに話を聞くと、
「茶農家どうし、新しい信頼関係を作れてきていると思います。
これまでは茶農家が行政や農協に守られたり、その分甘えたりする部分もありましたが、
今は互いに対等な立場で物事を進める体制ができてきました」とのこと。


この店は単に富士宮の茶を販売するだけではなく、
その特徴や楽しみ方を茶農家みずからが伝えるスポットという役割も持っている。
「お茶づくりは非常に繊細なものなんです。同じ土地、同じ品種でも年ごとに仕上がりは違う。
栽培、加工、配合……。茶農家の苦労や繊細さを伝えることもしていきたい」と土井さん。

そうやって作られた茶葉を、他産地のお茶が混ざらない純富士宮産のお茶=「宮茶」として販売。
ブレンドの違い、火の入れ方の違いなどによってバリエーション豊富に用意している。
店にとっては、商品の種類が増えるほど管理は大変。
一方で、消費者に対して商品の特徴や差を説明する技術力が高くなるし、細かいニーズにこたえられるという。


確かに、お茶を飲むシーンや味の好みは人それぞれ。
せっかくだから気分や予算に合ったお茶を選びたいmそう思って商品名を見ると、
「上々」「中々」「渋々」「ピン々」「粉々」などユニーク。
どんな茶葉なのか興味がふくらむとともに、味や形状のヒントになる楽しいネーミングだ。


商品には、お茶の色や味を比較できるプレートが付いている。
好みをイメージしながら選ぶとよい。一部を除いて試飲もOKだ。

それでも選び方や違いに迷ったらスタッフに相談を。
「食事しながらたくさん飲むなら、ごはんの味をいい具合に消してくれるこのお茶。
くつろいでほっとした気分で飲むなら、こちらのお茶がおすすめ」というようにアドバイスしてくれる。
違いを聞くうちにお茶のことをもっと知りたくなり、その興味に的確に答えてくれるやり取りがうれしい。


たとえば同じ「ほうじ茶」でも、火にかける時間や温度、茶葉のブレンド具合で色も香りもまったく異なる。
しっかり香ばしいタイプ、品よく香るタイプ、お好みで。


大切な商談の席で出したいおいしいお茶、その名も「商談成立茶」。
早く帰ってほしい訪問客に出す苦~いお茶、「追い出し茶」もある。
大胆なコンセプトがうけて、企業からの注文が相次いでいるそう。


「富士宮のお茶」=「宮茶」のデザイン茶缶で、お茶を贈ったり飾ったりといった楽しみを提案。
ショップロゴ入りのTシャツやエプロンも販売する。


お茶の味わいをこれでもか!と凝縮した、その名も「世界一濃厚な静岡抹茶プリン」。
まるでチョコレートのようなねっとりした食感で、抹茶の深い渋み・苦み・甘みは未体験ゾーン。
常滑焼の器、シックな黒い外箱など贈答用に。化粧箱入り・4個で4200円(店頭販売ではなく注文販売)。

富士宮のお茶は、生産量や知名度では静岡県中西部に比べてまだまだな部分もある、
でも商品開発や発信方法などやれることはもあっとあるはずだと話す土井さん。
お茶を作る人と買う人の距離を近づけるスポットのひとつとして、「HARE 時々 OCHA」に注目していきたい。

◆HARE 時々 OCHA (はれときどきおちゃ)

TEL 0544-29-7118
富士宮市杉田1047-4
10:00~19:00
水曜休み
駐車場あり

関連URL/富士宮富士山製茶合同会社

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