1. ホーム
  2. コラム
  3. 大鹿窪の一軒家ベーカリー【どってん家】。自家製小麦と地元野菜のやさしいパン。
2017年03月30日

大鹿窪の一軒家ベーカリー【どってん家】。自家製小麦と地元野菜のやさしいパン。

旧芝川町エリアの富士宮市大鹿窪(おおしかくぼ)。山に囲まれ田畑が広がるのどかな風景の中に、週に3日間だけ開く小さなパン屋さんがある。気をつけなければ見過ごしそうな店構えだが、開店と同時にお客さんがぞくぞく、パンがどんどん売れていく。いったいどんなお店なのだろうか?

「この店のパンはどれでも食べられる」。卵・乳製品アレルギーの人には朗報。

午前11時、どってん家オープン。
顔なじみの二人組がさっそく来店。店で食べる分と持ち帰る分、店主とおしゃべりしながら楽しそうに選んでいる。
前にも来たという一人が、友人を連れてきたとのこと。
「卵アレルギーの子どもにも食べさせられるから」。


入れ替わるように、また別の二人組が来店。
この野菜は何? クリームも乳製品は使ってないの? じゃあこれも。
会話を弾ませつつ、うれしそうに選んでいる。


店主の平野さんは、食物アレルギーの娘さんをもつお母さん。
アレルギーを持つ人やその家族が「食べられないもの」を気にすることなく、
好きなものを選べるようにしたいという思いから、卵と乳製品を使わないパンの店をオープンした。

甘いパン生地にコクや風味を出すには、豆乳やココナッツオイルを使う。
練乳やカスタードクリームは、牛乳ではなく豆乳で作る。
卵・乳製品を別の素材で置き換える工夫を欠かさない。


安心できる素材を使いたいという思いから、みずから小麦も栽培。店の前や市内に小麦畑を持っている。
「全量を自分で作ることはできないので、足りない分は、市内の有機農家さんなど生産者が見える素材を使うようにしています。
野菜や果物も同じ。富士山麓で採れる安心なものを中心に選んでいます。
富士宮産の素材を、富士宮で調理して皆さんに届けることにストーリーがあるのかなと」。


バリエーション豊富な野菜のパンは、時期によって種類が変わる。
野菜と調味料の、未経験の組み合わせにワクワク。

ねぎ×みそごまペースト ¥200
玉ねぎ×クミンシード ¥220
ブロッコリー×酒かすホワイトソース ¥220
豆乳マヨネーズ×にんじん ¥200


メロンパンやチョココルネなどの定番は欠かさない。
アレルギーのためパンを我慢している人にこそ、オーソドックスなものを食べてほしいから。

きなこ練乳サンド ¥180
ブルーベリーカスタード ¥200
チョココルネ ¥220


店はお客さんが3人入るといっぱいになるサイズ。
素材の話、天気の話、近所に最近できたカフェの話、店主とのコミュニケーションが自然に生まれる空間。


パンと同じく、卵・乳製品を使わない焼き菓子も作っている。
クッキーは、ごぼう、味噌、メープルシナモンなど。素朴でやさしい味がじんわり広がる。


平野さんのご主人が作る有機野菜も販売。早い者勝ち。

買ったパンは、店内の小さなスペースで食べてもよし、店の前のテーブルで食べてもよし。
おみやげ用を買っていく人も多い。また、リピーターが友達を連れて来たり、
クチコミやSNSで店を知ったというお客さんも増えているそう。
彩り豊かなパンは見ているだけで楽しく、ひとくち食べれば野菜の力強さを感じられる。
気がつくともう一度食べたくなり、週に3日の開店が待ち遠しい気持ちになる。


◆Farmer's Kitchen どってん家
TEL 090-7007-4882
富士宮市大鹿窪1471-1
11:00~16:00 ※売切れ次第終了
水木金のみ営業

市街地から離れており、周囲には店も少ない。
「山を越えてわざわざ来てもらうから、数が少なくてがっかりという思いをさせると申し訳なくて。
 来る前にお電話いただけると確実です」とのこと。

関連URL

どってん家ホームページ

米粉を使ったベーカリー「百姓のパン工房」

類似のコラム