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2017年04月01日

【富士宮の湧水】あらゆる食の源、「水」。数十年の時を経た大自然の恵みに感謝したい。

富士山に降った雪や雨は、土に染み込み、溶岩の間を通り、長い長い時間をかけてろ過され、再び地上に湧き出してくる。その期間は数十年から数百年。柔らかくまろやかで、雑味のないすっきりとした口当たり。水があるから土壌がうるおい、農産物が育ち、おいしい食品が作られる。富士宮の食の恵みは、湧水の存在と切っても切れない関係なのだ。

マップ片手に回ってみよう。おいしい食を生み出す、富士山の水が湧くところ。

富士山本宮浅間大社の「湧玉池」をはじめ、市街地だけでも10数か所に湧水スポットがある富士宮市。水を身近に感じられるよう、富士宮市では「富士宮 湧水・坪庭マップ」を作成。湧水めぐりで水の豊富さを感謝するとともに、水から生まれるおいしい食を堪能したい。

富士宮 湧水・坪庭マップはこちら(富士宮市環境部 花と緑と水の課)

▼富士山本宮浅間大社 湧玉池


国指定の特別天然記念物である「湧玉池」。
水温は一年を通して約13度、一日約20万トンの水がほぼ一年中湧き出しているという一大湧水地。
その水は、思わず見とれる透明感だ。
汲んだ水は持ち帰ることもできる(そのまま飲むのはNG、要煮沸)。

▼神田川ふれあい広場


湧玉池から発する神田川。ふれあい広場は水深が浅く絶好の水遊び場。
水に関連するイベントとして、2016年に初めて「富士山水まつり」が開催されたのがここ。

【富士山水まつり】レポート記事

▼お宮横丁


富士山本宮浅間大社のすぐ近く、富士宮やきそばや甘味店が集まるスペース。
なみなみと湧く水をひしゃくで自由に飲むことができる。

▼呉服のわらしな


お宮横丁のすぐ近く、宮町商店街にある「呉服のわらしな」。
お店の前に湧水がこんこんと湧き出ている。

▼文具の蔵 Rihei


その先にある文房具店の前にも湧水が。
屋外だけでなく店内にも水路が通っているというユニークすぎる造りだ。
ちなみに店長はアヒル(本物)で、名前は「がー太」。よろしく。

湧水があるからこそおいしさが活きる、富士宮の食をいただきます。

▼日本酒・ビール


富士宮市内には日本酒の酒蔵が4つある。
原料の米を洗うのも、「もろみ」を作るのも、原酒を割るのにも、水は非常に重要だ。
最近では地ビール造りも始まっており、ここでも水は欠かせない。

▼乳製品・畜産品

朝霧高原周辺は一大酪農地帯。
湧水を使って乳牛を育てており、しぼりたての生乳を使ったヨーグルトやチーズ、ジェラートが人気。
一帯は肉牛・養豚・養鶏などの畜産業も盛ん。多くのブランド肉を作っている。

▼農産物

水かけ菜の畑では、湧水を「かけ流し」で使用する。水温が一定のため厳冬期でも凍ることがない。


富士山の湧水のほか、火山灰を含んだ水はけのよい土地、日本一の標高差など、富士宮市ならではの利点がいっぱい。
米、茶、たけのこ、水かけ菜、いちご、大根、キャベツ、銀杏、落花生など多彩な農作物を栽培している。

関連URL/富士宮野菜・水かけ菜の栽培風景

▼富士宮やきそばのむし麺


独特のコシがある富士宮やきそばのむし麺。
地元シェアの大きい「マルモ」「叶屋」「曽我めん」の麺には富士山の湧水が使用されている。
一大ご当地グルメの背景には富士宮の水あり。

▼豆腐、かき氷……ほか加工品

豆腐やかき氷など水をたくさん含む食品にも、湧水があってこそ出せる味がある。


「和田とうふや」の手造り豆腐「湧玉」。
地下80mから採る水を使用しフワッとした口当たり。

関連URL/富士山の湧水を使う【和田とうふや】

存在が当たり前すぎて、普段は水というものを意識することは少ない。
が、上質な水が豊かに湧いていること、それをたっぷり使った食品を食べられることの、考えてみるとなんと贅沢なことか。
この恵まれた環境を守り伝えていくことも、私たちが忘れてはならない課題ですよね。

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